米メガチャーチサドルバック教会牧師のリック・ウォレン氏の先祖が奴隷主であることが米PBSの番組「あなたの祖先を見つける」で明らかになった。同番組ホストでハーバード大学教授のヘンリー・ルイス・ゲイツ氏はウォレン氏の家系を辿ると、先祖がアメリカ建国当時に教会の指導的立場にいた人であることを遺伝学的研究結果から示した。18日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
さらに驚くべき発見として、リック・ウォレン氏の家系を3代さかのぼると、奴隷主であったことが示された。ゲイツ氏は「リック・ウォレン氏の父方の3代さかのぼった曽祖父はバプテスト教徒でジョージア州に住んでいたバード・グリフィンという人です。1830年の国勢調査によりますと、彼は農場主である一方、有名な奴隷主であったことが記録されています」と伝えた。
さらにグリフィンが所有していた12人の奴隷の性別と年齢についても明らかにされた。グリフィンはバプテスト教徒でかつ農場主、判事でもあったという。さらにゲイツ氏はグリフィンの時代にあって、奴隷制はしばしば聖書の聖句を用いて正当化されていたことを指摘し、ウォレン氏に対し、「南北戦争以前の米国における奴隷制は正当化できるものだと思われますか?」と尋ねた。
これに対しウォレン氏は「奴隷制は聖書によって正当化されるものではありません。創造の始めから、『神は人をご自身のかたちとして創造された(創世記1・27)』と書かれてあります。聖書の御言葉を偏見をもって読むなら、偏見のある解釈に行きつくと言うだけの話です」と答えた。
同番組の導入部分においてゲイツ氏は「宗教の選択はおそらく私たちの祖先が選んだ信条に基づいて決定されているものだと思います。先祖のルーツを調べると、今ある信仰は父方か母方どちらかが持っていた信仰を受け継いでいます」と述べた。
ウォレン氏に関しては「ご家族が教会活動に熱心であったことは米国建国の当時から見出せます。ウォレン氏の第9代目に当たる曽祖父はウィリアム・パークという名前の男性で、17世紀初期の英国でピューリタン教徒としての活動に奮闘されていました。その後迫害を避けるために米国に向かい、宗教の自由を模索していました。ウィリアムは最終的に1630年に『ライオン』という船に乗船し、米国大陸に向かいました。それから一年も経たないうちに、カリスマ的なキリスト教指導者であったジョン・エリオットが米国に次の船で到着し、米ロックベリー第一教会の教会員と共に新天地で初の聖書印刷を行ったのです」と説明した。
ゲイツ氏は、ウォレン氏の先祖であるウィリアム・パークがロックスベリーの教会の教会員である記録も残っていることを示し、ウォレン氏に対し、「17世紀からの深いプロテスタント教徒としてのルーツがあったことをご存知でしたか?」と尋ねたところ、ウォレン氏は「知りませんでした」と答え、自身のキリスト教信仰がどのように形成されていったかを明かした。
リック・ウォレン氏は1954年に米カリフォルニア州サンノゼに生まれた。幼少時代に教会の説教者としてよりも大工としての技術の高さに関して父親に強く影響を受けたという。世界的ベストセラーとなった「人生を導く5つの目的(パーパス・ドリブン・ライフ)」著者でもあるリック・ウォレン氏は、イエスに対する堅信のきっかけについて「私が高校2年生の頃、ノースカロライナ州のクリスチャンキャンプで仕事をしていました。毎夜キャンプファイアーの責任者をしていました。ある夜、キャビンの中に入ってひざまづいて『神様、もし神様がおられるのならば、あなたを知りたいです』と本当に単純な祈りをしたのです。『本当におられるのならば、私自身の前に現れてください。イエス・キリストよ、あなたを知りたい。』―本当にそれだけでした。雷が鳴ったわけでも、天使が来たわけでもありませんでした。感情的にもならず、泣いたりもしませんでした。ただその瞬間決心が固まったのです。それが私の人生のターニング・ポイントとなりました」と明かした。