最後まで成功できるか成功できないかは、その人の才能によるのではありません。確かに才能もその一部の役割はなしているでしょうが、実際あまり才能のない人が成功していたり、とてつもなく才能があるのに、成功する機会に恵まれないという例が多くあります。
私はこの決定的な違いは何かと聞かれれば、「思考の仕方の違い」にあると思っています。成功するクリエイティブの方々は、成功しないクリエイティブの方々に比べて異なる思考法を有しています。以下に私が発見した7つの成功する思考法を挙げたいと思います。
1.大きく考える。
成功するクリエイティブの方々は大きいことを考えています。最高のクリエイティブの方々は「大きくなるか、家に帰るか」の二者択一しかないと考えています。本の執筆、演説の準備、アルバムのレコーディングをするときに困難に陥ったならば、彼らはできる限りの最大のインパクトを与えようとします。彼らは仕事にかかる時間について気にせず、いつも大きな夢を抱いています。そして常に「皆の期待を上回る何かをすることができないか?」と問いかけています。
2.責任を持つ。
最高のクリエイティブの方々は自分たちのやった仕事の結果に責任を持ちます。他者の助けなしには有名になれないと認識しつつも、自分たちが有名になったり、成功したりするために他人の力に依存しようとは思っていません。彼らは彼ら自身の仕事が市場でどのように受け入れられるかに対する責任を持っています。
3.良く聞く。
最高のクリエイティブの方々がすべてを把握しているわけではありません。しかし一つの事、たとえば書くこと、話すこと、歌うことについて自分が秀でていることを認識しています。しかし一方で自分の作品の販促の仕方や管理の仕方などすべてのことをひとりでできるわけではないことも分かっています。その結果、彼らはより経験のある人々の声を良く聞いて行動しています。最終的にこのことが成功の可能性を高めるのにつながっています。
4.助けを求める。
最高のクリエイティブの方々は彼らの作った作品への最終的な責任を受け入れる一方で、彼らが成功するために必要なすべての人の助けを求め、自分に関わりをもつようにさせています。なぜなら彼らは成功するために必要なすべての事をひとりですることができないことを分かっているからです。その結果、彼らは世界レベルのチームを自身のまわりに形成するようになります。そして彼らは継続的に「私のやりたい事を助けてくれる他に私に関わりを持ってもらえる人は誰がいるだろうか?」と問い続けています。
5.熱心に働く。
最高のクリエイティブの方々は決して怠け者ではありません。本が書ければ、演説の準備ができれば、アルバムがレコーディングされれば仕事は終わったも同然だとは決して思っていません。現実面で言えば、その時点からやっと彼らの仕事がスタートしたと言えるのです。彼らは作品や自身を目立たせようとする華々しい仕事よりもむしろ、普通のクリエイティブがやりたがらなさそうな日の目に当たらない仕事を熱心に行うことで成功につなげようと努力しています。
6.謙虚に振る舞う。
最高のクリエイティブな方々は、「成功する」ということは一時的なことですぐに倒れてしまうようなものであることを理解しています。自分だけで成功する道を保ち続けられるわけではないことを知っています。そのため、他人に対し感謝の心を忘れず、謙虚に振る舞っています。成功すればするほど、傲慢になりたいという誘惑が襲ってきますが、彼らは傲慢になることが彼ら自身の身を滅ぼすことにつながることを理解しているのです。
7.褒めることを惜しまない。
最高のクリエイティブの方々は作品についてのすべての責任を持ちますが、そのクレジットについては最小限の事しか求めません。彼らは自分の作品をたくさんの人々にすぐに分け与えようとしています。このようなクリエイティブの方々は公の場で他者への賛辞を言うことが得意であり、他人をスポットライトの下に置いて、他人に光を当てようとしています。
以上の7つのことから、成功するには、あなたが思っている以上自分自身の思考のコントロールをしなければならないことがおわかりになられるのではないかと思います。また成功するための勝利を確信した思考態度を身に着け、成功する思考を行う習慣をつけることが必要です。この習慣こそが成功し続けるクリエイティブとそうでないクリエイティブを分かつものであると言えるでしょう。
トーマス・ネルソン 会長(前CEO) マイケル・ハイアット氏
トーマス・ネルソンは世界最大のキリスト教書籍出版会社である。米国内では書籍出版貿易で第7位となっている。同氏のブログ(http://michaelhyatt.com)では、指導者として必要な福音的思考法やウェブサイトによる効果的なビジネス法、出版業界に関するトレンドなどを紹介している。