しかし神様の次に優先されるべきものは何でしょうか。私は神様の次に考えるべきものは自分自身であると信じています。神様の次に自分自身を置くということは、つまり自分の家族や友人、自分の肩書きやキャリアさらには自分が教会のために奉仕していることよりも自分自身を優先して置くということです。
これを私は何も自己中心的な考えであるとは思っていません。なぜなら自分自身にまず配慮することができなければ、他の誰をも、何事をも配慮することができないからそのように考えています。
飛行機を頻繁に利用して旅行される方であれば、「機内の気圧変化の際は、頭上のパネルが開き、酸素マスクが現れます。マスクを引いて、酸素を吸引できる状態にしてください。鼻と口をマスクで覆ってください。ゴムひもをかけ、普通に呼吸を続けて下さい。他の人を支援される前に、まずご自身のマスク装着を行ってくださるようお願いいたします」という機内アナウンスが流れるのを良く聞くことでしょう。そしてそのことに何の疑問も感じないのではないでしょうか。
このアナウンスを自分の人生にも適用させることができます。私は霊的、感情的、知的そして物理的に他者と自分が正常に交わることができるようにするために、まず自分を神様の次に来る最優先事項とするようにしています。もし自分自身を2番目に置くことに困難を感じられるのでしたら、そのようにすることが「他者に仕えるために準備することなのだ」と考えてみてください。
なぜなら、
*もし霊的に自分自身を養えないと思われるのならば、他者ともそのような霊的な賜物を共有することができないでしょう。ですからまず自分が聖書を読み、日々祈ることが必要なのです。
*もし自分の健康管理ができず、病気になるのであれば、自分の家族や従業員のためにもあまり役に立たない存在となってしまうでしょう。ですから私は日々運動し、栄養バランスの取れた食事をするようにしています。
*自分のために偉大な書物を読むための時間を割かなければ、他者と共有できる自分の知的資源に乏しくなってしまいます。
*まず自分が感情的な障害を乗り越えて仕事できるように努力しなければ、他者を監督する立場として振る舞う代わりに、他者に対して感情的な行動を起こす人間となり問題となってしまうでしょう。多くの人々にとってカウンセリングやセラピーを受けることは、感情的な問題を克服する意味で価値のある実践であると思っています。
*自分が十分な休息を取ることができなければ、精神的にイライラするようになってしまいます。そのような人間と誰も一緒に仕事したいと思わないでしょう。だからこそ私は毎日7時間睡眠を守るようにしています。
そして、指導者の立場にある人が、どのように自己管理をするかの手本を見せることができれば、その影響下にある人々が同じように自己管理することを学ぶようになります。
クリスチャンの中には、自分の最優先事項の中で自分を一番最後にもってきてしまわれる方々がいらっしゃいますが、これは間違った、ある意味危険な信仰を導く原因となると思っています。まず自分自身の(霊的・肉的な)必要が満たされてこそ、他者により良く仕えることができるようになります。
(本コラムは米クリスチャンポストから翻訳しています)
トーマス・ネルソン 会長(前CEO) マイケル・ハイアット氏
トーマス・ネルソンは世界最大のキリスト教書籍出版会社である。米国内では書籍出版貿易で第7位となっている。同氏のブログ(http://michaelhyatt.com)では、指導者として必要な福音的思考法やウェブサイトによる効果的なビジネス法、出版業界に関するトレンドなどを紹介している。