【CJC=東京】2月22日のマグニチュード6・3の地震により被害を受けたニュージーランド・クライストチャーチでは、最初の日曜日の27日、市民が礼拝に集まり、犠牲者を憶えて神に祈った。ただ礼拝の多くは広場など屋外で行われた。市内の教会は崩壊を免れたところも、多少の損害を受けており、余震の懸念もあるため。
コロンボ通りの南部図書館の芝生で行われた礼拝では、徒歩や自転車で人たちが集まった、と現地のNZPA通信が報じている。
礼拝を司式したアラン・ウエブスター牧師は「後片付けをしなくても済んだ教会はほんの少し。人たちは閉鎖空間の中では神経質になるので、屋外で集会を行うことにした。ここなら人たちが一緒にリラックス出来る」と言う。
並べられたデッキチェアに座る人たちの所属教派もさまざま。犬などのペット連れやピクニック用のシートを持ち込んだ人もいた。賛美歌を歌い、聖餐式のようにスコーンと紅茶が振舞われた。
参加者の1人、マレー・アムトマン氏は、普段は教会に行かないが、今週は人たちと一緒にいたい、と思ったと話している。「神に敬意を払いたく、他の人たちと共にいたかった」と言う。
教会員は、互いに生き残ったことを思い返し、涙ながらに抱き合い、助け合おうと微笑みを交わした。
カトリック教会は、ミサは行うと発表した。聖堂が破壊された場合は、近隣の教会でミサを守るように、と教区のリンゼイ・フリーア報道担当は語っていた。
被害というと、聖公会の大聖堂被害が繰り返し報じられたが、カトリック教会のカテドラルの被害も大きい。昨年9月4日の地震での被害は軽微だったが、今回は大被害で、取り壊さなければならないと思われる。
報道担当は、カトリック者は、今回の地震による死者発生と損壊について神を非難しない、と言う。「信仰を試された人もいるだろうが、ほとんどの人にとっては信仰をますます堅くすることになった」。