兵庫県・神戸市にある関西聖書神学校(工藤弘雄校長)は23〜25日の3日間、冬季の特別講座を同校で開いた。アメリカ・アズベリー神学校名誉教授のケネス・キングホーン氏を講師に招き、同校学生や地域の教会関係者ら約100名が受講した。
今回キングホーン氏が行った講義は全10回。内容は、?ルターによる信仰の発見、?ルターはローマと衝突した、?ルターの大いなる遺産、?再洗礼派(アナバプテスト)、?改革派のながれ、?英国における宗教改革、?反宗教改革、?清教徒、?敬虔派運動、?ウェスレーによるメソジスト運動であった。宗教改革以後のプロテスタントの歴史を、一つひとつの教派をバランスよく、それぞれの教派間の因果関係を説明しながら体系的に教えた。
参加者は「大変バランスの取れた、模範的な講義だった」「全体の見取り図がとてもよく整理されていた」などと感想を話した。
関西聖書神学校では、今年の7月6〜7日にも同校で公開セミナーを開催する。次回セミナーのテーマは「日本宣教―過去から未来へ」。新潟聖書学院院長の中村敏師を講師に予定している。
関西聖書神学校は歴史が古く、その始まりはイギリス人宣教師B.F.バックストン師、P.ウィルクス師らの働きにまでさかのぼる。バックストン師は1890年に来日後松江を中心に伝道、これにウィルクス師が参加し、後に日本キリスト教史に名を残す「松江バンド」が形成された。バックストン師は、松江の赤山に聖書塾を開き、多くの弟子を養成した。
やがて両師はさらに大きなビジョンを持ち、イギリスにおいて「日本伝道隊」を創立(1903)。1905年に神戸で伝道を開始し、2年後の1907年には神戸市平野で日本伝道隊聖書学校を開校した。さらに1924年、神戸市御影で聖書学舎を設立。1930年に現在本校のある塩屋の高台に移転した。
第二次世界大戦の激動を乗り越え、1958年「関西聖書神学校」と校名を新しくし、現在に至る。