日本聖書協会主催公開講演会が6日、午後6時30分から日本基督教団銀座教会大礼拝堂で開催され、多摩美術大の秦剛平氏とライデン大の村岡崇光氏が七十人訳聖書をテーマに講演を行なった。講演会にはおよそ135人が参加した。
秦氏は、創世記のギリシャ語訳者と出エジプト記のギリシャ語訳者は同一人物であると主張した。また、当時のヘブル語聖書が一字一句正確に複写されて頒布されたとする考えに疑問を投げかけ、ヘレニズム圏で自発的に開始されたギリシャ語翻訳作業に用いられたヘブル語テキストのほうに原始性が見出されるとした。紀元3世紀のキリスト教における反ユダヤ教主義の問題の所在を知るために、キリスト教神学の正当性を検証していく必要があると主張した。
村岡氏は七十人訳聖書の聖書学への意義、ギリシャ語学への意義について語り、同氏が取り組む七十人訳辞書の意義と作業過程を説明した。