朝日新聞関西版は5日、2人の専門家によるカルト問題をテーマとした談話の初回分を同紙電子版に掲載した。大学生など若い人をターゲットに活動をするカルト教団の手口、現代人の精神的傾向について語っている。次回は来週掲載される予定。
カルト問題に詳しい北海道大大学院教授の桜井義秀さん(45)と日蓮宗僧侶の杉若恵亮さん(46)は同紙面上で、大学生の間で宗教への不信感が高まっている一方、占いや精神世界への関心が高く、テレビに頻繁に出演する人の発言を信用する権威主義の一面が見られると分析している。
また、記事では、大学でカルト団体の活動が深刻化していると紹介した。カルト団体は、宗教団体であることを隠して学生に近づき、親切で温かい雰囲気を演出して学生を引きつける。人間関係や人生に不安を抱く大学生は惹きつけられ易く、特に新入生が夏休みまでに勧誘されることが多いという。
朝日新聞が全国霊感商法対策弁護士連絡会の報告として報じたところによると、87年〜05年の統一協会(世界基督教統一神霊協会)による霊感・霊視商法だけで2万6444件、被害総額は943億7千万円を超える。