神奈川県相模原市の22教会が3日、合同の相模原市民クリスマスコンサートを開催した。主催者によると、市民350人以上が来場。コンサートの盛況ぶりに主催者は「キリストのからだを実感した」と証した。
コンサートは二部構成で行われた。第一部は礼拝形式で、会衆による賛美歌「オー・ホーリーナイト」「牧人 羊を」の賛美、「クリスマスの星に導かれて」という題でメッセージがあった。メッセージは、カンバーランド長老田園教会の居垣裕芳牧師が第一ヨハネ4章9節を引用してクリスマスの本当の意味について伝えた。
第二部では岩淵誠、由美子夫妻がゲストとして登壇。2人が共に洗礼を受けるに至った経緯について救いの証しとともに語った。岩淵氏はゴスペルソング作曲にまつわるエピソードを紹介しつつ、神様の働きかけと召しについて来場者に話した。
コンサートを主催した各教会では、ノンクリスチャンの人々を優先的に招待するよう教会員に求めるなど、伝道の姿勢を前面に打ち出した。主催側の話によると、積極的な広報活動に神様が応答し、市民クリスマスのチケットは完売。当日券も入手できなかったノンクリスチャン15人のために奉仕者が席を譲るという場面もあった。高齢者、障害を持つ人、グループホームで生活する人など多様な人々が神様の言葉を聞いた。
コンサート終盤、次期実行委員長の山村英夫牧師(日本福音キリスト教会連合麻溝台キリスト教会)があいさつをした。希望者にギデオン協会新約聖書を贈呈し、参加者全員にはメッセージで伝えられた聖句のレース型マグネットをプレゼント。「伝道では、コンサート後こそ最も重要」(主催者)と、22教会全ての住所とクリスマス行事の日程を記したパンフレットを配布した。
実行委員長の渡辺ますみ牧師(主の牧場キリスト教会)は、「市民クリスマスの開催までに起こったさまざまな出来事に神様の働きを感じた」と、コンサートの成功を神様にささげた。相模原市では、牧師会が中心となって諸教会で協力活動を行い、結束も固い。市民クリスマス以外にも、共通トラクトの作成や共同配布など伝道活動にも共同で取り組んでいる。
合同の市民クリスマスも今回で17回目。今年は連合聖歌隊のメンバーが過去最多の63人だった。接客、会場整備、広報、それぞれの担当者が例年の開催で経験を積み、今年は奉仕の質、量とも数段レベルアップが見られたという。渡辺牧師は、「教会員の賜物が用いられたすばらしい例」と喜びを語った。
市民クリスマスを初めて開催した頃は教会同士の交わりが開催目的の大部分を占めていた。だが、大勢の市民が毎年楽しみに待つイベントとして成長した現在、市民にイエス・キリストを証しするためにもっと良いものを実現したい、と諸教会の教会員が連帯し、試行錯誤と祈りを通して大きな伝道奉仕へと発展している。
渡辺牧師は本紙の取材に対し、「伝道を通して育まれる信頼関係こそノンクリスチャンに対する最良の証」と話した。「天の御父は教会が一致して一つのことをするときに最も喜ばれる。一致は、牧師同士が互いに理解しあうことから始まる」という。