「自衛隊にも福音を」とのビジョンを掲げる宣教団体、「日本自衛隊宣教会」(MEAJ、事務局長・金学根宣教師=日本バプテスト連盟)の年次宣教大会が18日午後、防衛庁共済組合直営のホテル「グランドヒル市ヶ谷」(東京都新宿区)で開かれた。同宣教会顧問の三森春生牧師(全日本宣教祈祷運動運営委員長)がメッセージで「自衛隊宣教が(日本の)クリスチャンの間で遠ざけれることがある」「福音の前に差別があってはならない」と語り、軍人伝道の重要性を福音的視点から説いた。
この宣教会は2003年11月、神様の赦しと愛の対象に例外はないとの信仰の下、自衛官とその家族の救いを願って設立された。年次会では、自衛隊宣教の働きに賛同する牧師らによるメッセージ、宣教のための祈りの時間、コンサートなどが行われる。
三森牧師は「生命を懸けて国民を守る自衛隊の精神は、キリストの姿勢と通じる」と述べ、生命の危険にさらされる自衛官にこそ、死の備えとして、福音を伝え永遠の命を与えられる必要があると訴えた。収入や出世のために自衛官になる人もいるとした上で、自衛官は尊敬されるべきと強調。牧師やクリスチャンこそ自らの生命を犠牲にする精神を忘れていないか、再確認を迫るメッセージとなった。
今回は、キリスト教信仰を持つ自衛隊員の集まり「コルネリオ会」の石川信隆会長(防衛大名誉教授)や駐日韓国大使館の権泰煥・陸軍武官、深町春男牧師(日本基督教団赤羽教会)が祝辞を述べた。個人伝道で計4人の自衛官を教会に導いたことのある石川氏は、韓国のキリスト教ブームが軍隊内で広がったと述べ、世界130カ国以上の教会で展開される軍人伝道の重要性を強調した。権氏は「自衛隊は国を愛してこそできる仕事。神様の愛がなければ、国を心から愛することもできない」と、真の愛国心について説明した。深谷牧師は、テモテI 2:4を引用して「私たちは、思想を超えて、キリストの福音にあずかることが許されている、と聖書に書いてある」「国のために命を懸ける自衛官が、王の中の王であるイエスきりストの救いを経験するとき、全人格を持って立ち上がる力強い証し人になるのではないか」と語った。
金宣教師は、日本では自衛隊が象徴的な意味を持つこともあると説明し、多くの教会が自衛隊宣教に抵抗を感じている実状に理解を示した。その上で、神の愛と赦しの心を共有して働きを広め、もっと日本人の働き人が現れてほしいと語った。
コンサートでは、オペラのテノール歌手、バリー・クラフトさんとジョン・ホブソンさんが楽器などを交えて賛美歌などを歌った。