08年の次期大統領選への出馬を検討している米国民主党のバラク・オバマ上院議員が1日、全米屈指の代表的な福音主義メガチャーチ「サドルバック教会」で行われるエイズに関する世界会議に出席することになり、保守派福音主義者らなどが猛反発している。ロサンゼルス・タイムズ(30日付)の報道によって分かった。
同教会の創設者で、世界的なベストセラー「人生を導く5つの目的」の著者でもあるリック・ウォレン牧師が、アフリカでの慈善活動の実績などがあるオバマ氏を招待した。
リック・ウォレン師は12月1日、数百人の科学者や聖職者、専門家などが参加する「第2回エイズ国際討論会」を開催し、オバマ氏に対して「私たちを手をつないで共に働くべき」という主題で講演を要請した。
一方、同性愛者を参加させようとするリック・ウォレン師のエイズ対策活動に批判的な見方をしている一部の福音主義者らは、「オバマ氏は、人工妊娠中絶に賛成している」との理由で猛反発している。
また、キリスト教福音派の全米聖職者評議会など中絶に反対する団体の指導者らが、「オバマ氏の信念は聖書の倫理に反する」と一斉に批判した。
このような批判に対して、サドルバック教会側は29日、声明を出し、「ウォレン牧師やサドルバック教会は、中絶問題やその他の取り組みに対するオバマ氏の立場に同意していない」と述べた。そのうえで、「われわれの目標は、互いに顔を向けようともしない人々を一つに結びつけることであり、エイズ問題は福音主義者だけで戦うわけにはいけない」と説明した。
ウォレン師は、「神様が今日この世にいらっしゃるなら、エイズ克服のために努力なさるに違いない」、「全世界の教会が政府や企業、非営利団体などと力を合わせれば、エイズ患者らに適切な治療と栄養、 サービスを提供することができると信じる」と話した。
また、ウォレン師は「互いに違う観点を持った人々が自分たちの信仰と可能な解決策について討論することがエイズ拡散を阻む核心である」と付け加えた。