十字架のネックレスをしているキリスト教職員に十字架を制服の下にしまうよう命じていた英航空最大手のブリティッシュ・エアウエイズ(BA)は、20日、自宅待機中の同職員による再検討の要求を却下した。宗教的な装飾を制服の上に着用してはならない、という規則に基づいて判断したという。
海外メディアの伝えたところによると、BAは騒動後、この職員(55)に職場復帰を求めたが、職員は応じなかった。制服未着用の職務の提案も辞退したという。
職員は「BAは、イスラム教徒らのターバンや腕輪は隠せないとして容認している」と矛盾を指摘、宗教的な差別だとして提訴も辞さない構えだ。
AP通信によると、米国のテレビ局が職員を米国に招き、行ったインタビューで、職員は「たくさんの励ましと支援をいただいた」と語った。
BAは、「世界3万4千人の職員が一貫したサービスを提供する目的で規則を定めている。このうち数千人はいるであろうキリスト教徒の職員も規則に従っている」と説明している。
BAは宗教的な差別には当たらないと主張しているものの、イスラム教徒は問題になっていないことから「逆宗教差別」として複数のキリスト教団体が抗議をしている。