「賛美をする人は聖霊さまに満たされなければ心から歌うことはできないのです。ですから御言葉にしっかり立つことが一番のポイントです。歌うことはどなたでもできます。しかし、クリスチャンは聖霊により、喜びをもって歌うことができるのです」
ゴスペル伝道を通して「聖別された女性」であることを確信し、主の御言葉の土台に立ち、イエス・キリストの体である教会につながって成長し、神からの賜物を喜んで用いていく女性になることを目指すミニストリー「スタンド・ウィメンズ・ミニストリー」の創立者陽子・ラッカーさんが本紙の取材に対してこのように語った。同ミニストリーは先月16日と17日に、ゲストスピーカーにスーザン・タッカー師、そして北海道、東京、名古屋、大阪、九州から女性ゴスペル・ミュージックデレクターたちを招き、カンファレンスを開催。また18日には聖書キリスト教会(東京・練馬区)にて女性たち主体のコンサート「WOMEN’S LIVE! ”Here I Am”(ここにわたしがいます)」を開催し、参加した多くの人々に恵みと感動を与えた。今回は女性たちの救いと信仰的な自立を目指して活動する「スタンド」の働きについて、同ミニストリーの陽子・ラッカーさんに語ってもらった。
女性のためのミニストリー「スタンド」が始まったきっかけとは?
正直、私が始めようと思って始めたものではないのです。私は13年間、夫のラニー・ラッカーと共に「ラッカー・ゴスペル・ミニストリー」の窓口として各地で開かれるゴスペル・ミュージック・ワークショップの準備などの活動を行ってきました。夫と共にゴスペル伝道に導かれる中、多くの女性たちから祈りのリクエストが寄せられるようになりました。悩みや悲しみ、試練などといったメールや電話が多く寄せられるようになり、日々祈っていたのです。「神さま、どうしてこんなに多くの女性たちが泣いているのでしょうか。どうして苦しみや試練の中にとどまり続けるのでしょうか。どうしてなのですか・・・」「神さま、日本の女性は神さまを喜び賛美するべきなのにどうして問題にとどまるでしょうか」。日々神さまに必死に祈り尋ねました。
そのとき、驚くべきことに神さまが私に語りかけてくださったのです。「あなたが立ち上がりなさい」と。その時は正直驚きました。それで「何のために私が立ち上がるのですか」と聞きなおしました。すると神さまは、「息のあるものは主を褒め称えよ」という詩篇の御言葉を下さいました。そのような啓示があり、詩篇23篇の御言葉をもって設立されたのが「スタンド・ウィメンズ・ミニストリー」です。2003年5月に第一回目の女性カンファレンスが開催されました。初めの頃、主はクリスチャンの女性だけを集められました。「クリスチャンの女性が主の御言葉の上に立って神の愛を分かち合い、イエスさまを喜び賛美するよう主に招かれている」と感じさせられました。
「スタンド」が主催する女性カンファレンスとは?
セミナーでは御言葉を分かち合います。賛美をするためには創造主を知らなければなりません。神さまを知って初めて賛美をすることができるのです。主を知らないことはクリスチャンにとって根本的な問題になります。「スタンド」を始める前は伝道を目的とし、ゴスペル音楽ワークショップをとおしてクリスチャン・ノンクリスチャン関係なくともに賛美をしていました。しかし、設立当初の「スタンド」の目的は「伝道」というよりは「信仰の成長」でした。ただ口先だけで「「ハレルヤ」と言ったり、歌うのではなく、御言葉を聞いて神の方向へと整えられることによって神さまをより知り、喜び賛美することができるのです。
2003年5月に第一回目の女性カンファレンスが開催されましたが
神さまが計画してくださり、2003年5月に第一回目の女性カンファレンスが開催されました。クリスチャンの女性たちが全国各地から集まり既婚者、独身者セミナーを受け、御言葉を学び、メセージを聞き、悔い改めに導かれました。そして最終日にはクワイヤ・チームを結成しコンサートで賛美をしました。それを見て頭の先からつま先まで電気が走ったような衝撃を受けました。一人ひとりが心からへりくだり、神さまに向かって賛美するのです。あのような女性たちを見て私自身がびっくりしてしまいました。今までにない体験をしました。
今までと何が違ったのかというと、御言葉に対する確信を持って賛美をすることが出来たということです。今までは御言葉を知っていた「つもり」で神さまを賛美していたような気がしました。しかし、「女性たち、御言葉によって立ち上がりなさい」という目的を持って開催したそのカンファレンスの結果は本当にすばらしかったです。主に栄光を返します。3日間のカンファレンスの日々の中で、参加した女性たちの信仰が一日一日変化していくのを感じました。それを見たノンクリスチャンの女性が、「どうして私にはあのように歌うことができないのか」と疑問を持ち始めたのです。そこで二回目に開催されたカンファレンスでは、クリスチャンの女性たちが導いたノンクリスチャンの女性も参加するようになりました。そこから主に出会った女性たちが信仰をもつようになりました。
もちろん既婚者の方にとっては家庭が祝福の源であるべきなのです。家庭が満たされてこそ外へ向かって伝道することができるのです。これが自然な伝道の形であって、家庭が祝福されていないし不満足だから外へ出て行くというのはアンバランスです。ですから整えられる場所が必要なのです。
クリスチャンにとって賛美とは?
「スタンド・ウィメンズ・ミニストリー」には賛美をする人たちが集まっています。賛美をするときに気をつけるべきことは、感情で歌っているのかそれとも聖霊さまの働きに導かれて歌っているのかということです。それがわからなくなってしまうことが多いです。賛美をする人は聖霊さまに満たされなければ心から歌うことはできません。つまり、御言葉の上にしっかりと立つことが一番のポイントなのです。ただ歌うことは誰でもできます。クリスチャンは聖霊によって導かれ、主を見上げて賛美しなければなりません。
女性カンファレンスではセミナーが行われ、まずは主を知ることを大切にします。イエスさまを知ると賛美をすることに喜びを感じるのです。創造主である神さまが私たち人間を創ってくださいました。賛美する者がそのことを自然に感じられるようになると、その人が歌う賛美を聞く人にも「福音」が伝わります。
女性たちはカンファレンスに参加するとどのように変化するのですか
実は神さまは私自身も変化させて下さいました。「I love you Lord today」という賛美がありますが、その賛美を繰り返し歌っていると「お前は私を愛するか」と主が質問してきました。続けて「I love you Lord」と賛美するともう一度「お前は私を愛するか」と問われました。そして、三度目に「私を愛するというのならあなたの夫を愛しなさい。私を愛するならば夫も子どもも友人も愛することができます」と語られたのです。それまで「I love you Lord」と言ったことが口先だったと悟り、「神さま、私は心からあなたを愛していませんでした」と告白しました。それからとても主人に会いたくなってしまったのです。
カンファレンス後、主が私にしてくださったことを夫に証し、心から謝りました「私はあなたにとっていい妻ではなかったと思う。神さまがそれを私に教えてくれたの」と話しました。すると主人にも聖霊さまが働いてくださり、主人はすごく穏やかになって、「神さまが君にもミニストリーをしてくれたんだね」と言ってくれました。そのときに「立ち上がりなさい」という神さまの言葉が私自身に対するものでもあったことがわかったのです。その後、夫婦関係が変わり、神さまに祝福された家庭になりました。「スタンド」をとおして女性が家庭で果たす役割が大きいことがわかりました。
「スタンド」のミニストリーを始めてみて
病んでいる女性があまりにも多いことに驚きました。祈りが始まって2年、3年、4年とずっと祈り続けました。よく「私は救われました。ハレルヤ!」と言う人がいますが、教会で育てられることが必要です。もちろん救いは「私と神さま」の個人的関係ですが、御言葉と祈りによって解放され、賜物が開かれ、教会に根付き、育まれ、用いられることが主のみこころであり、この女性カンファレンスを開催する目的なのです。
現在は定期的に祈祷会を行ったり、カンファレンスに参加した方々とメールで連絡を取り合ったりしています。「スタンド」のホームページ(http://church.ne.jp/women_stand/japan/)にも証しを載せたりしています。祈祷会は調布南キリスト教会で第3土曜日の午前10時から午後12時まで行っています。約10人くらいが集まり、また食事をともにして交わりの時間を持っています。どなたでもお越しいただけます。
次回のカンファレンスの予定はありますか?
いま神さまが与えてくれているビジョンは、より主の業が栄えていくためにカンファレンスを地方に広げていくことです。それぞれの主要地域に支部を立てようとされておられます。地方にいるために東京に来ることが出来ない女性たちもたくさんいらっしゃいますので、その方々のために主は祝福の地境を広げようとされています。またその時期が近づいているのは感じています。セミナーを通して御言葉を受け、御言葉(神さま)を知り賛美をするというのが主が立てられた「スタンド・ウィメンズ・ミニストリー」のカンファレンスの目的です。
最後に一言
「スタンド」主催のカンファレンスに参加してすごくよい刺激を受けたという人が多い中、ここで得たことを自分たちの教会に持ち帰って実践することはなかなか難しいようです。しかし、とてもシンプルなことなのです。それぞれの教会で、神が自分に何をしてくださったかを証しすることができます。また、受けた恵みを家庭にも持ち帰ってほしいです。教会と家庭に伝え、育んでほしいです。
日本の女性たちが神さまの御言葉によって立ち上がり、聖霊の力に満たされて心から喜びをもって神さまを賛美するのがクリスチャン女性のための「ウーマンカンファレンス」です。