不思議なことですが、聖書は、イエス・キリストが私たち人間の心の汚さや罪汚れを全部背負い、身代わりの死を遂げて下さったと語っています。そして、神の御子イエスは、神が与える恵みが死の力や人生のどんな絶望よりも力強い救いであることを証明するために、死の力を打ち破ってよみがえって下さったのです。復活のイエス・キリストに出会うことによって、私たちは自分自身の罪から清められ、死の力をも打ち破る希望にあふれたよみがえりの命をいただけるのです。
全人類の人生の究極のゴールが死だなんて、悲しいと思いませんか。生物としての肉体の命には終わりが来るでしょう。しかし、命の与え主によって命そのものを新しく造り変えられたキリスト者は、「死を超えた命」がゴールになるとキリストは示して下さいました。
福音書を開くと、人間の言葉を超えた神の御言葉が溢れています。ヨハネの福音書の11章には、「わたしは、よみがえりであり、いのちである。わたしを信じる者は、死んでも生きる」14章では、「わたしがあなたがたのもとを去るのは、天国であなたがたの住まいを用意しに行くためです」明らかに、イエスのお言葉の中には、生物学的な地上での命を超える力強い別の命があるという約束が貫かれています。二つのことを心して、イエスが与えて下さるよみがえりの命を自分のものとしましょう。
1.勝利の結果が約束された素晴らしい人生がある
私たちは、幸せになりたいと思って生きています。仕事も大成功させたいし、スポーツにチャレンジし、素晴らしい成績を収めたい。良いものを目指し、毎日を積み重ねて生きています。
イエスのお言葉に注目しましょう。「わたしはすでに世に勝っている」紆余曲折、色んなことが起ころうとも、もうすでに、あなたが歩む人生は祝福されると約束されているのです。イエスを信じる時、命に対する目の付け所が、イエスを信じていなかったそれまでとはガラリと変わるのです。
イエスを信じていないなら、人生は積み重ねていく以外にありません。でも、それがいい方向に向かっているのか、間違っているのか、有効な手段なのか、ピンボケなのかよくわかりません。あなたがどんな天才でも、自分の力でただ積み重ねていこうとすると、不安が止みません。「一寸先は闇」なのですから。でも、それとは根本的に違う生き方をイエスは私たちに与えてくれるのです。
ヨハネの手紙第一には、「世に勝つ者とは誰か。イエスを神の御子と信じる者ではないか」とあります。救い主イエスはすでに世に勝っていて、イエスを信じることで、手さぐりの迷いやすい生き方を飛び越え、私たちも勝利者となれるのです。たとえ今の弱い自分のままでも、キリストと一緒にいるならば、本当に救われ恵まれた人生の答えを自分の元にたぐり寄せることができ、心の中の不安や迷いに替えて、勝利やそれから来る元気や本物の希望が溢れてくるのです。
2.苦難と戦い、勝利する人生がある
イエスは、「あなたがたは世にあっては試練や問題があります」と仰いました。
私たちは健康のこと、家族のこと、仕事のこと、確かにリアルなものとして、困難や苦しみのある人生を歩まなくてはなりません。しかし、「勇敢であれ」とイエスは語られました。なぜなら、イエスが世に勝っているから、勇気を出して乗り越えることができ、必ず勝利できるからです。
神は命の冠を、誰もが体験する死の向こう側に置かれました。私たちが与えられた能力と自由を、神の御心を行ない人々を愛するために用い、精一杯輝いて生きる、その生き様の向こう側に何があっても朽ちない永遠の命がある。だから、神を信じる私たちの生き方は、たとえ悩みや悲しみがあったとしても、疲れ果て、逃げ腰になり、責任転嫁をし、誰かを恨み、絶望で終わるような生き方ではなく、ねばり強く闘い必ず勝利する、自らの人生を価値あるものに変えられる生き方、本物の力強さが与えられています。ですから、目の前にあるレースを走り抜いていきましょう。少々の困難があっても恐れてはいけません。
救い主イエスが共におられる時に、勝利の答えは出ています。命のことで、思いわずらう必要はありません。イエスを受け入れる時、私たちも世に勝ち、人生の勝利者として堂々と生きることができるのです。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。