政府非公認教会で拘束されたキリスト教徒らが、エリトリアの刑務所に入れられ、うち2人のキリスト教徒が死亡した。キリスト教支援団体バルナバエイドによると、エリトリアの刑務所で死亡したクリスチャンのひとりはSeble Hagos Mebrahtuさん(27歳)で、自宅の寝室で聖書を読んでいたところ警察当局に拘束されたという。
エリトリアでは年明けから100人以上ものキリスト教徒らが警察当局の襲撃により拘束されている。バルナバエイドによると、エリトリア首都アスマラから教会の信徒の集団41人が一気に拘束され、収容所に入れられているという。収容所内では暴行を受けているとも伝えられている。バルナバエイドによるとそれに続き「アスマラ付近のさまざまな地下教会にいる27人の信徒らが警察当局によって拘束された。1月9日には家庭教会に集まっていた15人の女性と2人の病弱な老人含む35人の信徒たちが拘束された」という。
世界福音同盟宗教解放委員会(WEARLC)エグゼクティブ・ディレクターのゴッドフレー・ヨガラジャ氏は、エリトリアで生じているキリスト教徒への警察当局の襲撃に関して、同国の大統領を追放したチュニジア人の暴動を抑制する動きに伴ってキリスト教徒への抑圧も過激になっていることで、北アフリカ・中東に広がるキリスト教徒への迫害に懸念の意を示した。ヨガラジャ氏は「政府非公認のキリスト教団体を抑圧することでエリトリアが同国の権力を維持しようとする動きが高まっている」と述べた。バルナバエイドによるとエリトリア国内には法的な裁判手続きなしに刑務所に入れられているキリスト教徒が数千人存在するという。
米国大使館は最近ウィキリークスによるエリトリアで劣悪な環境下で収容されているキリスト教徒その他囚人がいることが確認されたことを伝えている。バルナバエイドは「600人もの囚人が寝ることもできないような狭さの部屋に収容されている。一日に3回パン二切れが出されている。水が不足しており、多くの囚人が渇きに苦しんでいる。トイレの衛生環境も劣悪となっている」と話している。また収容所内で警察当局に暴行を受け出血し、叫び声をあげている状況も確認されたという。
バルナバエイドは「エリトリアのキリスト教徒は世界で最も迫害されているキリスト教徒の一部となっている。ただ神のみを信じるという信仰があるために国家による迫害を受けており、同国はギリシャ正教・ローマカトリック・ルーテル教会およびスンニ派イスラム教しか公認していない」と述べている。