英キリスト教団体リリース・インターナショナルは英国中の女性に2月14日バレンタインデーにキリスト教の信仰を持つがゆえに迫害されている世界中の女性を支援する活動に参加するように促している。
現在にあっても世界の多くの地域でキリスト教を信じる女性の著しい迫害が生じている。バレンタインデーに教会員を誘って「聖バレンタインを愛する」夕食会を開くことで、迫害されているクリスチャン女性への声を発しようとしている。
パキスタンでは昨年キリスト教の信仰をもつ女性が、「冒とく罪」で死刑の判決が下っている。また多くのイスラム教国ではキリスト教の信仰をもっていたために刑務所で生活をしていた経験があることから、夫や家族から隔離されて生活せざるを得ない女性たちが存在している。
リリース・インターナショナルでは「聖バレンタインデー」の本来の存在意味を取り戻そうとしている。バレンタインデーの起源は269年、ローマ皇帝下で殉教した聖バレンタインを記念する日として存在していたが、カトリック教会において史実の上で実在が明らかではない典礼暦にあたるとして2月14日の記念日が取り除かれた。その後世界各国で男女の愛を誓う日として様々な贈り物のやり取りがなされる日となった。日本のバレンタインデーのような、女性から男性に一方的にチョコレートを贈る習慣は、日本独自のものである。
リリース・インターナショナルでは、バレンタインデーに各家庭で夕食会を開いたり、あるいは教会全体で夕食会を開くことで、聖バレンタインを記念して迫害されているクリスチャン女性のために祈り、心をひとつにする記念日となることを願っている。
伝承によれば聖バレンタインはローマ皇帝下で結婚が禁止されていた兵士たちを秘密裏に結婚させたことで捕えられ、処刑されたとされている。しかし同時に聖バレンタインは迫害されているキリスト教徒を支援していたとも伝えられている。
リリース・インターナショナルのエンマ・ディッパー氏は「迫害は現在でも続いており、多くのキリスト教を信じる女性が悲惨な目に遭っているのが現実です。 聖バレンタインが現代のバレンタインデーにおけるチョコレート産業の発展をどう思われるかはわかりませんが、迫害されているクリスチャンを支援するための夕食会を開くことは歓迎されると思っています」と述べている。
同団体では「ブレイク・アワー・ハート」というDVDやポスター、バレンタインの日の食事のレシピなども作成し、新たなバレンタインデーの信仰に即した祝い方を本格的に広めている。