中国の政府系シンクタンクである中国社会科学院は11日、「中国宗教白書」を初めて発表した。白書によると中国国内のキリスト教徒(プロテスタント)は2300万人だった。これは全人口の1.8%に過ぎないが、全宗教人口の73%を占めた。
調査は昨年までに、中国の300以上の地域に住む6万人以上を対象に行われた。白書によると、中国のキリスト教徒(プロテスタント)は93年以降に増加が著しく、82年から92年の間に教会に通うようになったと答えた人が18%であったのに対し、93年以降に教会に通うようになったと答えた人は73%に上った。
同院は最近30年間の中国経済の成長と、キリスト教会の成長が同時に進んだと分析している。教会の数も信徒の増加に伴い増え、白書では5万5000教会が報告された。
入信の理由として最も多かったのは、本人または家族の病気で69%だった。一方、キリスト教の家庭で生まれたことを理由に挙げた人は15%だった。
男女別では女性が70%と多かった。洗礼を受けたと答えた人は67%であった。
最近は青年や知識人、専門職を持つ人々の間で入信する人が増えているという。しかし、全体では学歴は低く、過半数が初等教育レベルの教育までしか受けていないと答えており、大卒以上の学歴を持つものは人は全体の2.6%であった。
中国では政府公認の教会と非公認の地下教会があるが、今回の調査は政府系シンクタンクによるものであることから地下教会は含まれていないと見られる。地下教会も含めると、中国のキリスト教徒は4千万人から1億3千万人に上ると推計されている。
白書ではカトリック、仏教、イスラム教、道教についても報告されており、カトリックの信徒数は570万人だった。