【CJC=東京】米国の反キリスト教監視団体「軍事宗教の自由財団」(MRFF)のマイキー・ワインスタイン会長が4月20日、ペンタゴン(米国防総省)で行われる5月6日の全国祈祷日の奨励者に大衆伝道者フランクリン・グラハム氏を招くことに反対する、とロバート・ゲイツ国防長官に書簡を送った。同氏がかつてイスラムを『悪魔』としたことがあり、それが国防省に勤務しているイスラム教徒を中傷するものだから、招待を取り消すべきだ、というもの。
同氏を招くことは、キリスト教を激しく侮辱する人を招いた時のことを考えればわかるとして、イスラム教過激派を刺激し、米軍部隊を危地に陥れることにもなりかねない、と指摘している。
政教分離原則上にも配慮してか、国防総省はグラハム氏招待を断念した。グラハム氏は22日、国防総省の断念決定を遺憾とし、軍隊のために祈り続ける、という声明を発表した。
グラハム氏は、著名な大衆伝道者ビリー・グラハム氏の子息で、父親の創設した「ビリー・グラハム伝道協会」や国際救援組織「サマリタン・パース」の会長兼CEO。
2001年の同時多発テロ事件の際、グラハム氏はイスラムは「非常に悪であり邪悪な宗教」と語ったが、今もなお撤回していない。
ウィスコンシン州の連邦地裁判事は、全国祈祷日が、宗教的な行動を求めるのに等しいとして違憲判決を下している。