【CJC=東京】エジプト・スエズで、現存するものでは世界最古のキリスト教修道院『聖アントニウス』の修復が完了した。同修道院は1600年前に建設された、と推定されている。古代からの壁、塔、教会2カ所と修道士の宿舎などを修復した。
英BBC放送によると、政府出資による修復計画では事業費約1400万ドル(約12億6000万円)、工事期間8年以上を掛けて完成した。
修復計画は、10年前のクリスマスイブに、キリスト者6人が射殺される、宗派間抗争としては最悪の事件発生直後に打ち出された。
エジプトでは著名な考古学者ザヒ・ハワス氏は、修道院の修復作業がイスラム教徒によって行われたことを強調した。エジプトでは大多数のイスラム教徒と少数派コプト教徒との共存の象徴になれば、との期待もかかっている。
3世紀末、聖アントニウスは、孤独に生活するため、紅海近くの山岳地帯にある洞穴にこもった。その死後、弟子たちは、修道院を建設し、彼の名を付けた。