【CJC=東京】イラクとアフガニスタンに駐留する米軍が、ケースにキリスト教の聖書の箇所を示す刻印が入ったライフル照準器を使用している、とABC放送が報じた。米国内のイスラム教徒団体などが1月20日、強い怒りを表明した。
照準器の製造会社『トリジコン』が、米陸軍と海兵隊に、80万個以上の納入契約を結んでいるという。
米国のイスラム教徒の権利擁護を推進する機関『ムスリム公共問題審議会』(MPAC)は、ロバート・ゲーツ国防長官に対し、聖書を示唆する文字と数字が記された武器の使用を中止するよう要請した。
『トリジコン』社は20年以上前から、「国のために従軍することに対するわが社の信条、信念の表れ」として、照準器のメタルケースに新約聖書の1か所の章と節を示す刻印を入れている。
2003年のイラク侵攻後に米中央軍が発した「いかなる宗教、信仰に改宗させる行為」も厳しく禁じている命令に違反した、ということが問題になった。
英国防省も同社に照準器400個を発注したことを明らかにした。オーストラリア、ニュージーランドにも納入されている。
問題の刻印はヨハネによる福音書8章12節「イエスは再び言われた。「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」を意味する「JN8:12」と刻まれている。