人工妊娠中絶反対を訴える米国の保守派キリスト教団体「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」は、2月7日に行われるアメリカンフットボール最高峰の大会にして米最大のスポーツイベントである「スーパーボウル」の中継放送で初のCMを流すと発表した。米CNNが伝えた。
放映されるCMは30秒のもので、出演者には全米の大学フットボールで最も活躍した選手に贈られる「ハイズマン賞」の07年度受賞者ティム・ティーボー氏とその母親を起用。同団体はティーボー氏起用の理由について「命を尊ぶ姿勢と、家族の繁栄を手助けしたいとの情熱を我々と共有している」と説明している。
スーパーボウル中継時の30秒スポットCMの広告料は約300万ドル(約2億7000万円)にも上るとされており、同団体は必要な費用を個人からの寄付で集めたとしている。
米国では近年特に同性愛や中絶をめぐった議論が加熱している。キリスト教界も例外ではなく、米聖公会では昨年、女性や同性愛者の聖職者就任をめぐって教団内の保守派が正式に離脱し、新たな教団を設立。米福音ルーテル教会でも昨年、総会で同性愛聖職者を認めることが決定されたが、反対派はすでに教団とは独立したグリープを組織し、今年には新たな教団が誕生する見通しとなっている。