北海道砂川市が神社に市有地を無償で使用させているのは憲法の定める「政教分離原則」に反するなどとして、同市民が違法確認を求めた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は20日、1件について市の行為は違憲との判断を下した。「政教分離原則」に関する最高裁の違憲判断は97年の「愛媛玉ぐし料訴訟」に次ぐ2例目。国内主要各紙が報じた。
違憲判断が下ったのは市有地上に町内会館と併設している神社をめぐる訴訟で、1、2審でも違憲と判断されていた。竹崎博允裁判長は判決理由を「一般人の目から見て、同市が特定宗教に特別の便益を提供、援助していると評価されてもやむを得ない」と述べた上、違憲状態を解消する方法について審理が必要として札幌高裁に差し戻した。
もう1件の訴訟は、別の神社のある市有地を同市が町内会に無償譲渡したことについて争われたもので、こちらは上告を棄却。原告の請求を棄却した1、2審判決が確定した。