前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世を狙撃し、別の罪で服役していたトルコ人アリ・アジャ受刑者(52)が18日、出所した。バチカン(ローマ教皇庁)正義と平和評議会のタークソン議長が同日発表。また、同議長は元受刑者が前教皇の墓参りを願い出れば許可するとの方針を示した。
元受刑者は81年5月、バチカンのサンピエトロ広場で前教皇を狙撃。服役中の83年に前教皇と面会し「赦し」を与えられた。終身刑を言い渡されていたが00年に恩赦を受け、今月18日までは別の殺人事件などの罪で服役していた。05年4月、前教皇帰天の報に接した元受刑者は深い悲しみを覚え、喪に服したとされる。
なお、元受刑者は今回の出所後に「今世紀中に世界は滅びる」との声明を出すなどしており、精神状態が不安定との懸念もあるという。タークソン議長は元受刑者が前教皇の墓参りをする場合について「厳重な警護が必要」と述べている。