クリスチャンの多い韓国から観光客を呼び込もうと、韓国の旅行会社7社の担当者を招いての巡礼モニターツアーが、キリシタン関連史跡の多く残る長崎県五島市を中心に14日から5日間の日程で行われた。長崎新聞などが伝えた。
同ツアーは五島地域雇用創造推進協議会の委託で長崎県観光連盟が初めて実施。五島を訪れる韓国人観光客は少ないが、国民の3割がクリスチャンであることから「キリシタンの島」としてアピールできる公算は大きいと期待しているという。
初日14日は同県西海市で天正遣欧少年使節の一人、中浦ジュリアンの出生地を見学。15日は新上五島町で世界遺産候補の青砂ケ浦教会、頭ケ島教会を巡り、町内のカトリックや観光、行政関係者との意見交換会に参加した。
16日は、潜伏キリシタンが明治時代初期に迫害を逃れるために隠れ住んだが見つかって弾圧を受けた歴史のある「キリシタン洞窟」を海上タクシーで見学。また、「上五島ふるさとガイドの会」のメンバーから教会の概要、迫害や殉教の歴史などについて説明を受けた。17日は五島市にある世界遺産候補の堂崎教会など5カ所の教会や史跡を視察した。
ツアーに参加した韓国旅行会社の担当者からは「歴史ある教会や美しい自然といった観光資源が豊富にある。ツアーを企画して行きたい」と前向きな意見が出た一方、渡航費がかさむとして行政の支援を要望する声も上がった。