【CJC=東京】中国のキリスト者の人権擁護のために活動し、2008年にはノーベル平和賞の受賞候補者にもなった高智晟弁護士について、中国当局が初めて同氏の所在を把握していないことを認めた。高氏の弟が1月14日、AP通信に電話で、警察が高氏は9月25日に所在が分からなくなった、と伝えてきた、と語った。
高氏は解散させられた集団『法輪功』のために弁護活動を行い、また改憲運動にも参加するなどで国際的にも注目される存在。2009年2月、公安当局者に連行される所を見られており、安否が懸念されていた。激しい殴打、性器に電気ショック、目にタバコなどの拷問の末に死亡したとの未確認の情報もある。
米国に本拠を置くキリスト教抑圧監視団体『対華援助協会』(CAA)が同氏の一家を保護している。同協会は、当局からの今回の通知が同氏の死亡を暗示したのでは、と懸念している。高氏の夫人はコメントを拒否したが、ニュースに動揺しているという。
対華援助協会の傅希秋会長は「中国政府が自ら拘束した囚人の所在を把握していないとは容認できない」と語った。「彼が自宅から2009年2月に強制的に連行されたことははっきりしている。約1年経って、中国政府は現在では彼を把握していないと言うのだ」と傅会長は指摘する。
中国側の行方不明確認は、『中国家庭教会連合』(CHCA)の指導者30人が、河北省邯鄲で逮捕された直後のこと。拘束された牧師の中の1人が携帯電話で外部への連絡を試み、邯鄲市公安局と宗教事務局が、1月8日、指導者30人が聖書研究をしている所を襲った、と伝えた。逮捕された人たちは市内の尋問センターに強制連行された。中には15日間拘留する、と言われた人もいる。