【CJC=東京】マレーシアでカトリック教会への攻撃が続いている。同派が発行する週刊紙(マラヤ語版)が「神」を表現する言葉に「アッラー」を使用したことが問題となったが、クアラルンプール高裁が、キリスト者も神について「アラー」という呼称を使う憲法上の権利がある、と12月31日判示したことに反発するイスラム教徒によるもの。
首都クアラルンプールで1月8日、教会4カ所に火炎瓶が投げ入れられた。
クアラルンプール北方約300キロのペラ州タイピンで教会と修道院学校に爆弾が投げ入れられた。聖公会教会でも割れたビンやシンナーが発見された。タイピンでは他2カ所の教会も襲撃された。ボルネオ島サラワク州の教会も被害にあった。マラッカ州では、バプテスト教会の外壁が黒色のペイントで塗りたてられた、など教会や関係施設への攻撃が続いている。
マレーシア人口2800万人の9・1%を占めるキリスト者は中国系かインド系で、その大半がサラワク州と隣接するサバ州に居住している。
マレーシア教会協議会のヘルメン・シャストリ総幹事は、「過激派による脅威を絶つことに共に立ち上がる必要がある。キリスト者は攻撃に脅えるな」と述べた。