英国国教会(聖公会)の前カンタベリー大主教であるジョージ・ケアリー氏は、英BBC番組内のインタビューで、今のクリスチャンは穏やか過ぎる、もっとタフであるべきだと語った。
ケアリー氏は、「我々クリスチャンは、穏やか過ぎて人々に踏みにじられるということが非常に多い。また、他人のことを気にして、我々がしたいこと、つまり我々の信仰を表すことに対して十分な強さを持っているとは言い難い」と述べ、「タフな教会が必要だと思う」「我々はもっと遠慮せずに発言しなければならない」と語った。
一方、現カンタベリー大主教のローワン・ウィリアムズ氏は先月、政府が信仰者らを「変わり者」のように見ていると述べ、政治家がもっと自らの宗教的信念について発言し、公共の場で信仰を守るべきだと語っている。ケアリー氏の今回の発言は、ウィリアムズ氏の発言を持ち上げたかたち。
英国国立社会研究センターが最近行った宗教の意識調査によると、英国人で自分がクリスチャンであると自認する人は25年前の66%から約半数にまで減少。また、英国国教会の信徒であると答えた人の割合も25年前の40%から23%に減少している。
一方で、いずれの宗教にも属さないと答えた人は31%から43%に増加。キリスト教以外の宗教を信じると答えた人も2%から7%に増加している。
ケアリー氏やウィリアムズ氏の発言は、英国で増加する人々の教会離れと世俗化、移民増加による他宗教の信者増加へ対する危機感の表れとも見て取れる。