金正日総書記に宛てた人権改善を要求する手紙を所持し、25日に中国側から凍結した川を歩いて渡り北朝鮮入りした韓国系米国人宣教師のロバート・パク氏(28、韓国名:朴・ドンフン)について、朝鮮日報は28日、入国と同時に逮捕された可能性が高いと伝えた。
パク氏が代表を務める団体「自由と生命2009」の関係者は、パク氏の北朝鮮入りを目撃していた人物の話しなどから、「川向こうに国境警備隊員がいたことを考えると、逮捕された可能性が高い。しかし、銃声は聞こえなかったため、射殺などの事態には至らなかったとみられる」と語った。
パク氏は25日午後5時ごろ、北朝鮮と中国との国境にある凍結した川幅約30メートルの豆満江(とまんこう)を徒歩で渡り北朝鮮に入国。「私は米国市民だ。神の愛を伝えにきた。神はあなたを愛し、祝福するだろう」と韓国語で叫んだ。パク氏の入国の様子は関係者2人がビデオで撮影して記録してあるという。
中国の在北京米国大使館は26日、「米国国民の保護を最優先としている」と発表した。しかし、ロイター通信によると、パク氏は出発前友人らに対し、北朝鮮の国民を苦しみから解放するために、米国、韓国、日本の各国政府を突き動かして北朝鮮に介入させる必要があるとして、自分の救出を望まないとしていたという。