【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は12月11日、イタリア訪問中のベトナム社会主義共和国グエン・ミン・チェット国家主席とバチカン(ローマ教皇庁)で会談した。教会と国家の協力に関するいくつかのテーマについて意見交換がされたほか、現在の国際情勢、特にベトナムとバチカンの多国間分野における役割が話題となった。
同国家主席はまた、バチカン国務長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿と外務局長ドミニク・マンベルティ大司教とも会談した。
現在、両国間には正式な外交関係はない。ベトナムのカトリック者は共産主義政権による抑圧に抗議の声を上げて来た。しかしこの所、和解の動きが出ている。教皇およびバチカン国務省高官とベトナムの国家主席の会談は今回が初めてだが、首相レベルでは2007年、教皇とグエン・タン・ズン首相間で初の会談が実現している。
バチカンは、今回のチェット国家主席の訪問をベトナムとの関係進展の意味ある一歩として満足を表明すると共に、諸懸案についても早期解決を期待している。