【CJC=東京】2010年の世界平和の日に向けた教皇ベネディクト16世のメッセージが発表された。バチカン放送(日本語電子版)が12月15日報じた。
カトリック教会は、毎年1月1日を「世界平和の日」とし、戦争や分裂、憎しみや飢餓などのない平和な世界が来るように祈っている。この記念日は、ベトナム戦争下の1968年、時の教皇パウロ6世の呼びかけによって始められた。
43回目にあたる2010年度世界平和の日に教皇が選んだテーマは「平和を育てるために、被造物を守りなさい」(仮訳)。
教皇は14章にわたるメッセージの中で、創造主である神の愛を反映するものとして、環境と人間の絆を新たにし、被造物を尊重しながら責任をもってそれを無関心や搾取から守ることは、人類の平和的共存に不可欠な要素であると説いている。
教皇は、今日人類を苦しめている経済・環境・食糧・社会等の問題は、倫理的危機と根底においてつながっていると強調、社会において人間が尊重される時、環境もまた尊重されると教皇は述べ、環境保護に留意すると同時に、貧しい人々に連帯し、次世代に配慮した自然の利用、生活スタイルや消費と生産モデルの再考を呼びかけた。