「祈り」をテーマにし、聖書の情景を描いたものや深い宗教性をたたえた作品などを展示する特集展が8日から、神奈川県の平塚市美術館(同市西八幡1‐3‐3)で始まった。彫刻「樹下に遊ぶ幼子イエスと聖母」(保田シルヴィア)など、同館が所蔵する作品約60点が展示される。来年2月7日まで。
開催される冬の所蔵品展「祈りのかたち」では、彫刻家・保田春彦の妻、シルヴィア夫人(1934‐2000)のキリスト教信仰をもとにした彫刻「樹下に遊ぶ幼子イエスと聖母」や、エスキース「聖母子像のためのエスキース」などのキリスト教と関わりのある作品のほか、仏教と接点のある作品も展示される。
主な展示作品は、イタリアのフレスコ画やキリスト教の地下墓地(カタコンベ)の壁画と、日本の仏画に共通性を見出して描かれた有元利夫(1946‐85)の作品や、東洋の宗教世界を独自の解釈で描いた工藤甲人(1915‐)や伊藤彬(1940‐)の作品、山本直彰(1950‐)が日本画の技法で描いた「ピエタ」、世界各地の神の使いを描いた菅野陽(1919‐95)の銅版画シリーズ「天使と飛天と」など。
来年1月9日(土)、17日(日)の午後2時〜2時半には、同館学芸員によるギャラリートーク(申込不要、要観覧券)が行われる。
観覧料は一般200円、高大生100円(第2・4土曜無料)、中学生以下無料。午前9時半から午後5時まで開館(入場午後4時半まで)。毎週月曜日と12月28日から1月4日まで休館。1月11日(月・祝)は開館で、翌12日(火)は休館。