また、イエスは大声で言われた。「わたしを信じる者は、わたしではなく、わたしを遣わした方を信じるのです。また、わたしを見る者は、わたしを遣わした方を見るのです。わたしは光として世に来ました。わたしを信じる者が、だれもやみの中にとどまることのないためです。・・・わたしは世をさばくために来たのではなく、世を救うために来たからです。・・・わたしは、自分から話したのではありません。・・・父がわたしに言われたとおりを、そのままに話しているのです。」(ヨハネ12章44節〜50節)
イエスは闇の中に来られた光であるとご自身のことを語られました。私たちも放っておくと、世の中に生きる中で闇の力がどんどん押し寄せてきます。だからこそ私たちは、よりキリストの愛に燃やされ、聖霊の力によって満たされて祝福されていく者でありたいと思います。
クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いするときですから、イエスがいてこそのクリスマス。イエスのいないクリスマスで満足してしまうことのないように、私たちはしっかりと心の焦点を定めたいと思います。
神の御子であるキリストが、神の在り方を捨ててまで私たちと同じ人の姿を取ってこの地上に来て下さり、私たちに対して御言葉を語り、御業を行ない、十字架にまでかかって救いを成就して下さったのは、単にイエスのすばらしさを人々に見せつけるためではありません。
この聖書箇所で、イエスは大声で、私たちの心の中に大切なことを刻みつけようとされたのです。それは、私たちが見たり聞いたりすることの向こう側にあることです。
1.イエスを通して神ご自身を信じる
イエスとは、神と私たちとの接点で、神が私たちに現われて下さった現われ、神がご自分を啓示して下さった方であり、私たちはこのイエスを通して神ご自身を信じたいと思います。イエスの御言葉を聞き、イエスの御姿を見、イエスを心に信じ受け入れることによって、私たちはイエス・キリストが余すところなく表して下さっている真の神と接するのだということを忘れてはいけません。
単なる偉人や、宗教の教祖としてのイエスの立派さを認めるとか信用するというのではありません。イエスを信じることは、人としてのイエスを越えて、その向こうにおられる天地宇宙の創り主であられる真の神、私たちを救って下さる神、イエスを遣わして下さった真の神を受け入れ、見ることなのです。
あなたが、救い主イエス・キリストを心に抱いて一言祈るたびごとに、あなたの祈りは真の神につながっているものであることを知りましょう。
クリスマスがなぜ今もめでたく、素晴らしいのでしょうか。
それは、神ご自身を御子イエス・キリストの到来によって私たちが信じ知ることができるからです。
2.私たちの命をさらに一歩深めさせる
そして、イエス・キリストは、私たちの命を闇から光へと引き上げ、死から永遠の命へと引き上げて下さるお方であることを知りたいのです。
世の中には宗教でも哲学でも良い教えはたくさんあり、良い知恵も溢れています。しかし、キリスト教は、イエスから学んで教養や知識を身につければいいということではありません。知るべきことは、人生の終着点として死のほか考えられなかった私たちが、実は死を超える永遠の命へと一歩先の世界に引き上げられていくということです。
イエスとの接点によってイエスご自身を越えて偉大な神に触れることができ、さらに私たちの命が、闇から光へ、滅びから救いへ、死から永遠の命へと、一歩先の豊かな世界へ導き入れられることを感謝したいと思います。
あなたがこのクリスマス、イエス・キリストに触れるときに、あなたの心も魂も、生活も、考え方や健康、仕事も経済も、目先のことで右往左往する必要はありません。神が一つ先にある豊かな世界を切り開いて下さいます。
キリストの愛は無限大で、それによって私たちは変えられるのです。あなたの人生の中に神は働いておられます。あなたの人生はイエスを信じ受け入れただけで止まることは絶対にありません。神のご計画が働き、あなたの生身の人間の人生の計画はぐっと引き上げられるのです。
あなたが考えているよりも、神はもっと偉大なお方です。神があなたに与えておられる恵みを大切にして欲しいと思います。信仰がいつまでも点火しない種火クリスチャンで終わりませんように。種火を本当の炎にして下さい。
私たちはどのような状況の中にあっても、愛の業をあきらめるのではなく、クリスマスに向けて恵みの種を蒔こうではありませんか。そして、クリスマスが本当に祝福されることを祈りましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。