桃山時代から江戸時代初期にかけて、豊臣秀吉や徳川家康、秀忠、家光といった時の権力者によってキリスト教は弾圧を受け、五万人とも言われる大量の殉教者が出た。これは世界に類を見ない特殊な出来事であるが、そもそもなぜ為政者たちは、キリスト教を厳しく弾圧しなければならなかったのか?また、宣教師や日本人キリシタンたちは、なぜ死を賭けてまで信仰に固執したのか?そこには、信仰心以外の「何か」があったのではないか?――本書では、キリスト教徒だった遠藤周作氏の名著『沈黙』に加え、キリシタン迫害の様子を伝える数々の史料を批判的に読んでいくことで、「殉教」から見えてくる日本人特有の気質や死生観を明らかにしていく。(購入する)
著者: | 山本博文 |
価格: | 税込819円 |
出版社: | 光文社 |
発売日: | 2009年11月17日 |
ページ: | 260ページ |
ISBN: | 4334035329(ISBN‐10) 978‐4334035327(ISBN‐13) |
【著者紹介】
山本博文:1957年岡山県生まれ。東京大学文学部卒業。82年、同大学院修了。文学博士。現在、東京大学史料編纂所教授。『江戸お留守居役の日記』(講談社学術文庫)で第四十回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。日本近世史を専門とし、史料を丹念に掘り起こした著書には、『切腹』『日本史の一級史料』(光文社新書)、『殉死の構造』(弘文堂)、『江戸城の宮廷政治』(講談社学術文庫)、『島津義弘の賭け』(中公文庫)、『武士と世間』(中公新書)、『男の嫉妬』(ちくま新書)、『徳川将軍家の結婚』(文春新書)など多数がある。