江戸時代のキリスト教弾圧下で隠れキリシタンが信仰の拠点とした「サン・ジワン枯松神社」(長崎市下黒崎町)で3日、第10回枯松神社祭が開催された。地元の西日本新聞が伝えた。
祭には隠れキリシタンの子孫やカトリック信徒ら約200人が参列。カトリック長崎教区大司教の高見三明氏が慰霊ミサを捧げ、オラショ(祈り)の奉納も行われた。
同神社には弾圧下にありつつも、キリシタンたちを指導したとされる外国人宣教師サン・ジワンが祀(まつ)られている。祭りは、先祖たちの信仰を伝えようと、隠れキリシタンの子孫らが10年前から行っている。
幕府からの迫害が強まる中、信仰を守り通そうとして神社のような外観になったとされている。日本にはキリシタンと関係する神社が3つあるされており、「サン・ジワン枯松神社」はその一つ。同神社がある黒崎周辺は、江戸時代初期のキリシタン弾圧を扱った遠藤周作の小説『沈黙』の舞台とされている場所。