南米ボリビアのカトリック教会は10月30日、死者の霊を弔う「ナティタス」と呼ばれる同国先住民の伝統宗教行事について、人間の頭蓋骨を祭ることをやめるよう訴えた。AFP通信が伝えた。
ナティタスは花や帽子で飾った祖先の頭蓋骨に、ろうそくを灯してタバコや飲み物を供え、悪霊から家族を守ってくれるよう祈るという行事。世界各地ではハロウィンなど死者の霊にまつわる祭日が祝われているが、ボリビアでは11月8日がナティタスの日となっている。
カトリック教会側はこの行事について、「頭蓋骨の多くは墓から盗掘され売買されたもので祖先とは全く関係のない他人のもの」とした上で、死者を平和に眠らせるよう呼び掛けている。
ボリビアは、信仰の自由を認めた上でカトリックを国教に制定。国民の実に9割以上をカトリック信徒が占めているとされる。