北朝鮮を13日から15日まで訪れた米国の著名大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に対して、北朝鮮の金桂冠外務次官が、クリントン米国務長官が訪朝すれば、1968年に拿捕した米情報収集船「プエブロ号」の返還交渉に応じると語ったことがわかった。共同通信が韓国の聯合ニュースの報道として伝えた。通訳として同行した大学教授が22日明らかにしたという。
同通信によると、北朝鮮当局者らは北朝鮮問題担当のボズワース米特別代表の訪朝についても希望しており、「議論しようというわけではなく、まずは来て欲しい」と語ったていたという。
フランクリン・グラハム氏の訪朝は今回で3度目。キリスト教NGOの「サマリタンズ・パース」会長として訪問し、北朝鮮高官らと会談、サマリタンズ・パースが設立した医療施設などを視察した。平壌国際空港に到着した際には、6カ国協議の北朝鮮次席代表を務める李根外務省米州局長が出迎え、国営の朝鮮中央通信が「米朝関係進展の懸け橋の役割を果たしたい」とする同氏の発言を伝えた。北朝鮮メディアが第三国の首脳級要人以外の訪朝で、到着時の発言を紹介するのは異例であった。
グラハム氏訪朝に先駆け9月末には同氏特別補佐官のメルビン・チータム氏が平壌入りしていた。
グラハム氏は訪朝後中国へ向ったが、経由地の北京で15日には、北朝鮮がボズワース特別代表の訪朝を求めたことを明らかにしたが、米政府の意向を北朝鮮政府に伝えたとする見方は否定、帰国後訪朝結果についてホワイトハウスに報告すると語っていた。