世界的に著名な米国の大衆伝道者、フランクリン・グラハム氏が17日、中国・保定べテル教会(河北省保定市)付設の伝道者養成センターの献堂式に出席した。グラハム氏は「今後10年から15年で数千人の若き指導者が誕生し、中国とアジア全土に福音を伝える」と述べた。
教職員は主に政府公認のキリスト教指導機関「三自愛国運動」と「中国基督教協会」から派遣される。べテル教会(信徒数1万人)は公認教会としては信徒数で杭州基督教会崇一堂(同1万2千人、浙江省杭州市)に次いで中国第二。
ビリー・グラハム伝道協会によると、同センターは農業などで生計を立ている貧しい人々のために設立された。神学校に行って牧師になりたくても経済的、時間的負担が大きい。そのような状況を考慮して、数週間の集中講義で単位を取得できるよう工夫した。数週間滞在して単位を取得した後は地元に戻って働く、ということを繰り返して学びを進めることも、1年間滞在してじっくりと学びを深めることも可能だ。
センターでは、聖書学や神学、教会経営学に加え、実践的な牧会学に特に力を入れるという。教育を受けた信徒は、地元に戻っている間も高い水準で教会や他の信徒に仕えることができる。グラハム氏は「修了生には宣教師として北米でも福音を伝えてもらいたい」と強い期待を示した。
センターは08年10月に基礎工事、今年5月に建造物の建設を開始した。遠方からの学生を想定して寮を完備しており、150人が常時宿泊可能。隣接する教会の地下階にも宿泊設備があり50人が宿泊できる。保定市は北京から南約2百キロにある人口約千2百万人の都市。
グラハム氏は今月13日から15日まで北朝鮮を訪問した後、15日に北京入りしていた。最近では2008年5月にも訪中。中国最大の政府公認教会、杭州基督教会崇一堂(会員数1万2千人)の主日礼拝でメッセージを語り、自身の諸団体を通じて中国支援を強化する意向を表明している。