不安をあおって高額な印鑑を売り付けたとして、和歌山県警公安課などは20日、和歌山市の印鑑・健康食品販売会社「エム・ワン」従業員・奥ひとみ容疑者(55)と鹿田三津子容疑者(71)を特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで逮捕した。県警は同社を世界基督教統一神霊協会(統一協会)の関連会社とみており、同社および統一協会和歌山教会など計6カ所を家宅捜索している。
同課によると、両容疑者は昨年3月下旬、同市内に住む50代女性をエム・ワンに勧誘。姓名判断を行った上で「家系に悪い運がついている。運命を変えるには印鑑を作ること」などと言って不安をあおり、印鑑3本セットを約110万円で購入する契約を結ばせた疑いが持たれている。
統一協会関連会社のいわゆる「霊感商法」をめぐっては先月上旬、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長を含む7人の初公判が東京地裁で行われ、同社社長の田中尚樹被告(51)らが「間違いありません」と起訴事実を認めている。また、先月下旬には不安をあおって高額な印鑑や水晶を売り付けたとして、大阪の印鑑販売会社「共栄」従業員の統一協会信者4人が逮捕されている。