【CJC=東京】カトリック者が国民の大多数を占めるスペインの首都マドリードの独立広場で10月17日、政府が人工妊娠中絶の条件を緩和しようとしていることに対する大規模な抗議デモが行われた。
デモにはあらゆる年代の人たちが参加し、家族での参加者も多かった。参加者らはヘリウムでふくらんだ白い風船300個を飛ばした。
デモの参加者数について、主催団体側は150万人、市当局は120万人としている。国内メディアは警察情報として25万人と報じた。
スペインでは1985年、中絶が非犯罪化され、特殊な場合に限り実施されてきた。今回の改正案はEU加盟国の大半で施行されている法律の内容に基づいて作成された。
AFP通信によると、改正案は16歳以上の女性が求めた場合には妊娠14週以内、母体に危険がある場合もしくは胎児に異状があると診断された場合は22週以内、胎児に深刻で治癒不可能な疾患がある場合には22週以降の中絶を認めるもので、9月に閣議決定した。11月に議会で審議される見通し。
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、同性愛者間の結婚、離婚の迅速化、性転換者の権利拡大などリベラルな社会政策を相次いで打ち出している。