第24回関東聖化大会(関東聖化交友会主催、日本聖化協力会後援)が18日、東京都新宿区のウェスレアンホーリネス教団淀橋教会で開幕し、青年大会が行われた。若者を中心に約160人が会場に集まる中、大会主講師のパドゥー・メシュラムカル博士が講演。「私たちの心をきよめることによって、(神が私たちを)神の器として用いることができる」と、きよめを語る理由を確認したうえで、「魂を刈り取る働き人が必要」と、若者たちに宣教のチャレンジを与えた。
この大会は、聖書的な聖化の信仰を確認し、その立場を同じくする者たちがともに交わり、信仰を養う聖会として1986年から毎年開かれている。日本聖化協力会の働きは現在、関東聖化交友会をはじめ、北海道から九州まで全国10地区に広がり、それぞれの交友会・大会が独自に発展を遂げている。イムマヌエル綜合伝道団やウェスレアンホーリネス教団、日本基督教団ホーリネスの群など、13の教団・諸団体が加盟している。
今年の主講師に選ばれたメシュラムカル博士は、インド・ナザレン教会の牧師、またインド・ナザレン聖書訓練大学の教授として豊富な経験を持つだけでなく、インド福音連盟の理事長を務めるなど教団教派を超えて活躍する、インドの福音派教会を代表する指導者の一人だ。同大会での奉仕は今回が初めて。関東での大会が終わると、22日には名古屋で開かれる第22回東海聖化大会、続いて23日に大阪で開催される第58回JWに学ぶ会、さらに25日の第10回岡山聖化大会と27日の第20回九州聖化大会でも講演を予定している。
青年大会でメシュラムカル博士は、有名なルカによる福音書15章の放蕩息子のたとえを本文に講演した。まず、放蕩息子が父の家を飛び出した心境について、世の楽しみや、自分を破壊へと導いてしまうような、若者にふさわしくない自由を求めたのではなかったかと説明。はじめは楽しそうに見えるが、一度犯せばどんどんと深みに陥り、最後は自分を滅ぼしてしまうものが罪であり、大蛇がその蛇使いをかみ殺すように「罪は人間を殺す力を持つ」と、罪の恐ろしさを訴えた。
また、放蕩息子が失ったものとして、父との愛の交わり、大切に扱われるという地位、友、評判、そして、もっとも大きなものとして人格を挙げ、父の家を離れることでこの息子がどれだけ多くのものを失ったかを説明した。
そのうえで、放蕩息子があるとき「我に返」(17)り、この物語が決して悲劇で終わったのではないことを強調。「どんな息子であっても、神の恵みは開かれている」「キリストの十字架によって、人の生活はまったく変わることができる」と、福音の力を証しした。
メシュラムカル博士は、放蕩息子の変化について、「つらい経験を通して、よりかしこい、賢明な人間になった」と説明。放蕩息子が悟ったもっとも大きな教訓は、「罪を犯すことが一番大きな損失だと気づいた」ことだと語った。また、自分が笑うときには世の人もいっしょになって笑ってくれるが、泣くときにはただひとりで泣くしかなく、お金がなくなればすべての者が自分から離れ去ってしまうことも悟っただろうと付け加えた。
さらに、誰かを愛すること、つまり、かつてはあれほどいやだった父の存在、家庭の存在が、自分の愛する対象となったこと、そして、失ってみてはじめて、それが一番大切なものだと気づいたこと、また、豚の世話をしていた失敗の生活、これまで安住していた汚い場所から立ち去ったこと、自分の固執したプライドを捨てたことなどを挙げ、「(放蕩息子の人生の中に)神のすばらしい愛が働いた」と述べた。
最後にメシュラムカル博士は、自分のすべての必要を満たす方がおられることを悟り、その方を心に迎えるならば、「この愛を伝える管として神があなたを用いてくださる」と強調。現代は、「だれもが出て行って、『あなたを待っておられる方がおられる』ことを伝える必要がある時代」と語り、「神があなたのために宣教の扉を開いておられるならば、それをノーと言わないでください」と神への献身を呼び掛けた。
宣教のチャレンジを受けて、神の働きのために献身することを決意した若者たちは、講演後、講師の招きに応じて次々と立ち上がり、その場で神に献身の祈りをささげた。
大会は20日まで。20日午前10時からは女性大会、午後2時からは「きよめの危機」をテーマに大会の学びを深めるときを持つ。午後6時半からは最後の聖会が開かれ、メシュラムカル博士が講演する。