インド南部で集中豪雨による洪水が発生し、AFP通信などによると、7日までに270人以上が死亡、家屋の倒壊などで250万人以上が避難を余儀なくされている。被災地にキリスト教系支援団体らが向かい、懸命の救援活動を続けている。
最大の被災地はカルナタカ州で死者200人、家屋を失った人々は150万人に達した。被災者向けの食料や医薬品などの円滑な輸送が課題という。
隣接するアンドラプラデシュ州では、大雨の影響でダムから大量の水が流れ出し、2カ所の発電所が浸水したほか、60人が死亡し、100万人が避難している。
カルナタカ州の被災村では、カトリック系救援団体カリタス・インディアが飲み水と食料、医薬品の確保に注力している。7日付けタイムズ・オブ・インディア紙紙電子版によると、泥水の引き始めた同日、不衛生な水を飲んだり、料理に使用したりした村民120人が体調を崩して手当てを受けた。
現地で活動を指揮するアンブロス・クリスティさんは「人々の安全確保もままならない状態。家屋や生活環境の補修も必要だが、当分先になりそう」と「100年に1度の大災害」に困惑を隠しきれない。
ワールド・ビジョンは救援スタッフを交通網の寸断された被災地に派遣するとともに、ヘリコプターを使って食料、日用品、蚊帳、調理器具、衣類などを避難キャンプに届けた。現在200万米ドル(約1億8千万円)の緊急支援金を世界各国から集めている。
国際的な非政府組織(NGO)アクション・エイドは緊急支援として既に200万米ドルを投じ、現地の協力団体を通じて食料支援を展開している。これまでに70の村、1万5千世帯に物資を配布した。日銭を稼いで暮らす貧困層の人々は今回の災害で収入源を完全に失い、今後も長期的な支援を必要としているという。