【CJC=東京】プロテスタント・キリスト者を生み出すことになった、いわゆる宗教改革の創始者の1人ジャン・カルヴァンの生誕500周年記念礼拝が7月10日、ジュネーブで行われた。
カルヴァンは北フランス・ノワイヨンで1509年7月10日に誕生。独立都市ジュネーブで果たした、宗教改革における役割がその後のプロテスタント教会に与えた影響は今日にも及んでいる。
カルヴァンが説教していた教会として知られるサンピエール大聖堂には、宗教界や政治指導者が集まり、社会問題に関する現代の応答の基盤とも言えるカルヴァンの思想を振り返った。
ENI通信によると、「私たちは、神が配慮されたもの、すべてのための、すべての人間のための、そしてすべての創造物のための正義に関心を集中すべきた」と、世界改革教会連盟のセトリ・ニョミ総幹事は語った。同氏はガーナ出身、長老派。ジュネーブのローレンス・モッティエ牧師との対話の中で「私たちが創造物の全体性に、より配慮することで変革について神の代理となること」についてカルヴァンから示唆を得るよう、奨励した。モッティエ氏は、カルヴァンが「『富める者も神に仕えられる』ことが真実ならば、『富める者が心を支配している所では、神の権威は失われる』こともまた真実であることに気づく」と指摘した。
マダガスカル、韓国、と現地の聖歌隊が礼拝を際立たせた。ミシュリン・カルミ=レ外相、デービド・ヒラー市長らに加えカトリック教会のピエール・ファリーヌ補佐司教も出席した。
記念礼拝は、昨年11月から世界各地で行われた一連の記念行事のハイライトとでも言うべきもの。
この日、ベルリンでも記念式典が行われた。フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相が、民主主義の展開に果たしたカルヴァン主義の重要性と、それがヨーロッパに与えた影響を評価する演説を行った。同氏は社会民主党の首相候補と目されている。