東京・上野公園で13年にわたってホームレスの支援・救済伝道活動を行う「上野よみがえり会」(NPO法人日本福祉会よろこびのこえ主催)の関係者によると、昨年末から今年にかけて炊き出しの来場者が急増している。昨年は400人程度だったのが、最近は多いときで650人以上が集まることも。30代から40代というこれまでにあまり見なかった若い世代や、女性のホームレスも増えているという。
9日の炊き出しには、上野公園周辺のホームレスを中心に約500人が参加。会衆賛美を歌って牧師の聖書メッセージを聞く礼拝の時間を全体で持ったあと、配給されるスープやパン、バナナなどを各自で受け取っていた。同会では現在週1回のペースで炊き出しを行っている。
同会で10年前に救われ、いまでは大韓イエス教長老教会・愛宣キリスト教会(千代田区九段南、黄パウロ牧師)で協力牧師を務める一戸満氏は、炊き出しの来場者が今後さらに増えることを懸念している。年末年始に解雇された失業者の失業給付期間の終わる時期が迫っており、それに伴ってホームレスが一気に増えるだろうと話す。
一方で、「教会にとっては収穫の時」と一戸氏。同会を通して神の愛を知り、信仰を持ったホームレスはこれまでに100人以上に上る。ホームレスの増える今こそ伝道に力を入れたい考えだ。
同会は13年前、黄パウロ牧師が実費でホームレスの支援活動を行ったのがきっかけで始まった。現在はNPO法人が会を主催し、愛宣キリスト教会の関係者など15人ほどのスタッフが毎週の奉仕を担当している。希望者には自立支援のための寮や、ホームレスを対象にした教会での聖書の学び会なども随時紹介している。