鑑定名目で不安をあおり、高額な印鑑を購入させたとして、警視庁公安部は11日、東京都渋谷区の印鑑販売会社「新世」社長の田中尚樹容疑者(51)と同社幹部の古沢潤一郎容疑者(40)、女性販売員5人の計7人を特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで逮捕した。公安部は同社と世界基督教統一神霊協会(統一協会)の活動が密接な関係にあったとみており、同日午前には統一協会の渋谷教会などの関連施設も家宅捜索した。
公安部によれば、同社は販売実績や顧客情報を統一協会側に報告していたとされており、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、同社を統一協会の関連会社としている。
逮捕容疑によれば、田中容疑者らは07年10月から今年2月までの間に、渋谷駅周辺で30〜60代の女性5人を勧誘。同社事務所で姓名鑑定だと言い、「先祖の因縁がある。このままでは家族が不幸になる」などと不安をあおって、1本16〜40万円する印鑑を13本売りつけたことが疑われている。
一方、統一協会は複数のメディアの取材に対し、同社との関係を否定、営利事業は行っていないと主張している。