学校や地域社会からの迫害が日常の一部になっている9歳の少女モリョム(本名は伏せてある)は、牧師夫妻として教会に仕える両親の働きを誇りに思っている。「私の母は日曜学校の先生で、父は伝道者です。私はそんな両親が本当に大好きです」(第1回から読む)
モリョムと家族にとって唯一の安全な場所は教会だ。ここでは、モリョムは孤独になる必要がなく、嫌がらせを受けることもない。そして何より、主イエスを自由に礼拝することができるのだ。
日曜学校は、モリョムが他の信者の子どもたちと共に受け入れられ、愛されていると感じる場所だ。「母は13〜14人の子どもたちを対象に日曜学校を開いています」とモリョムは話す。「日曜学校が本当に好きです。そこで私たちは歌を歌い、踊り、一緒に祈ります。また、子ども用の聖書も読みます」
モリョムと彼女の友達が学ぶ子ども用聖書は、オープンドアーズと現地の協力教会らによって提供されたものだ。モリョムは聖書を読むのが大好きだ。子ども用の聖書は、カラフルな絵と分かりやすい言葉のおかげで、神について学ぶことがますます面白くなるように工夫されている。幼いながらもモリョムは神の言葉を愛しており、彼女は多くの詩篇や他の多くの聖句を暗唱しているのだ。
また、オープンドアーズと現地の協力教会は、バングラデシュのクリスチャンとその子どもたちのために毎年クリスマス集会を開催して、これを支援している。モリョムやキリスト信者の子どもたちは、地域のイスラムの子どもたちがイードや他のイスラムの祝祭を祝っているのを、遠くから指をくわえて眺めている。時には、祭りの楽しそうな雰囲気に子ども心が魅入られることもあるのだ。
しかし、そんなキリスト信者の子どもたちにはクリスマスがある。子どもたちにとって一年で最も楽しみな時期だ。これはキリスト信者として正々堂々と祝うことができる祝祭であり、離れて暮らす信者たちが一堂に会して交わりを持つ時でもあるのだ。
「クリスマスの日には教会の全てのメンバーが礼拝に集まります。とても楽しいです。私たちは歌い、踊り、祈り、聖書を読みます。新しい服を着て、たくさんの人が集まります。みんなで集まるのが大好きです。クリスマスを祝うのはイエス様の誕生日だからです。ケーキを切って食べるのはとても楽しいです」。モリョムはあふれんばかりの笑みを顔にたたえて話す。
クリスマスのような特別な集まりは、モリョムのような子どもたちにとっては、非常に意義深いものなのである。それは、彼女たちが日々直面する抑圧からのひとときの解放であり、イエスや他の信者仲間との愛を感じる時間でもあるからだ。
こうして彼女たちは、自分たちが置かれている過酷な環境に再び出ていく英気を養う。そして日曜学校では、彼女が最も好きな歌、つまり神への賛美を歌い、どんな状況にあろうともこの共同体の中で、主イエスにある希望を思い起こすことができることを確認するのだ。そしてこの希望は、どんな反対者や迫害者も奪うことができない、決して失われることのない希望なのである。
これは、モリョムが日曜学校で歌う最も好きな賛美歌だ。
愛するイエス様、私のそばにいてください。
私はあなたなしでは生きられません。ハレルヤ!
あなたは命をもって私たちを救ってくださいました。
あなたの血によって、私を買い取ってくださいました。
あなたは命をもって私たちを救ってくださいました。
あなたの血によって、私を買い取ってくださいました。
愛するイエス様、私のそばにいてください。
私はあなたなしでは生きられません。
あなたは私たち全員の罪をその肩に背負ってくださいました。
私たちの贖(あがな)いのために、十字架の上で命をささげてくださいました。
あなたは私たち全員の罪をその肩に背負ってくださいました。
私たちの贖いのために、十字架の上で命をささげてくださいました。
愛するイエス様、私のそばにいてください。
私はあなたなしでは生きられません。ハレルヤ!
(続く)
■ バングラデシュの宗教人口
イスラム 89・0%
プロテスタント 0・5%
カトリック 0・2%
ヒンズー 9・1%
仏教 0・6%
土着の宗教 0・5%
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