国際宣教団体「ユース・ウィズ・ア・ミッション」(YWAM=ワイワム)の世界大会「ワイワム・トゥギャザー」が、3日から6日までの4日間にわたり、フィリピンで開催された。首都マニラ近郊にあるメガチャーチ「クライスト・コミッション・フェローシップ」(CCF)を会場に、110カ国から4500人が参加した。
YWAMは、2014年から「ワイワム・トゥギャザー」を開催しており、今回で4回目。18年にタイ中部の都市パタヤで開いた第3回大会までは2年ごとに開催していたが、コロナ禍により6年ぶりの開催となった。また、昨年10月には創設者のローレン・カニングハム氏が死去。180カ国以上で活動する世界最大規模の宣教団体を産み育てた創設者亡き後の初めての世界大会となった。
欧州YWAMのディレクターを20年務め、現在はシューマン欧州研究センターの所長を務めるジェフ・ファウンテン氏は7日、同センターが運営するウェブサイト「ウィークリーワード」(英語)で、カニングハム氏亡き後の世界大会であったことについて、次のように書いている。
「(カニングハム氏を指して)『モーセ』は死にました。私たちはこれまで、このような経験をしたことがありませんでした。明確な後継者の計画はありませんでした。しかし、(ワイワム・トゥギャザーが開催された)週が進むにつれ、新しい『ヨシュア』世代に移行していることが明らかになりました。大会を準備した才能と能力のある若いリーダーたちは、この(YWAMの)使命を立派に未来へと導いていくことでしょう」
ファウンテン氏はまた、1967年にカニングハム氏と初めて会ったときのことを振り返り、YWAMの働きが非常に先駆的だったことを述べている。
「当時、若者を宣教に動員するというローレンの夢に関わっていた米国人は、文字通りほんの一握りでした。当時は、今や必須となった弟子訓練学校(DTS、YWAMによる6カ月間の弟子訓練コース)を修了した人は一人もいませんでした。2万人を超える働き手が世界のあらゆる国で活動するようになる未来を誰が想像できたでしょうか」
一方、ファウンテン氏は、キリスト教メディア「クリスチャン・デイリー・インターナショナル」(CDI、英語)の取材に対し、カニングハム氏のような特定の指導者が後継者として選ばれる可能性には否定的な見解を示し、次のように語った。
「個人的には、合議制のリーダーシップが進むべき道だと思っています。24人の長老を任命して監督させるという話もあります。恐らく、欧州連合(EU)のように議長職を輪番制にすることもできるでしょう。しかし、YWAMは分権的で価値主導型の組織であり、命令に基づく組織ではありません。決定はできる限り、現場に近いところで下される必要があります」
YWAMは1960年、米国出身のカニングハム氏が、「神を知り、神を知らせる」ことを目的に、若者の宣教活動を支援する働きとしてスタートした。現在も若者に焦点を当てた活動を行っているが、働きにはさまざまな年代・国籍の人が関わっている。「伝道」「訓練」「慈悲」を働きの3本柱として掲げ、直接的な宣教活動から、クリスチャン向けの弟子訓練プログラムの提供、農業支援や人身売買の防止といった社会活動まで、さまざまな働きを行っている。