今の時代、サラ金の宣伝で「そこに愛はあるのか」と連呼され、「自分を愛せれば、他の人を愛せる」などと哲学的なセリフで涙をそそるようなCMがテレビに流れています。高利貸しが「愛」を語るのも、「自己愛こそ他者愛の秘訣」と語るのも、「何か変だぞ」と勘づく人はいると思います。
聖書の語る愛は、「変わらぬ愛」「絶えることのない愛」「無条件の愛」「友のために命を捨てる愛」「第一に神を愛し、第二に隣人を愛せよ」「互いに愛し合いなさい」というものです。
1. 真理と偽り
彼らはこの世の者です。ですから、この世のことばを語り、この世もまた彼らの言うことに耳を傾けます。私たちは神から出た者です。神を知っている者は、私たちの言うことに耳を傾け、神から出ていない者は、私たちの言うことに耳を貸しません。私たちはこれで真理の霊と偽りの霊とを見分けます。(1ヨハネ4:5、6)
5節を聖書の真理から解き明かすと、「悪魔から出た『この世の者』は、『この世の』価値観で『ことばを語り』、『この世』の人々も『この世の者』『の言うこと』を熱心に聞きます」となります。
6節前半は、「イエスを神キリストと信じる『私たちは』、聖霊により『神から出た者です』。聖霊により『神を知っている者は』、『神から出た者』が神の御言葉で『言うこと』を熱心に聞きますが、『神から出ていない者』は、『神から出た者』『の言うこと』を少しも聞きません」となります。
6節後半は、「聖書の言葉を熱心に聞く者か、聞かない者かで、その人が『真理の霊』に支配されているのか、『偽りの霊』に支配されているのかを『見分けます』」となり、霊の見分け方について語っています。
「あなたがたは、あなたがたの父である悪魔から出た者であって、あなたがたの父の欲望を成し遂げたいと願っているのです。悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。彼のうちには真理がないからです。彼が偽りを言うときは、自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また偽りの父であるからです」(ヨハネ8:44)
2. 神は愛
愛する者たち。私たちは、互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ、神を知っています。愛のない者に、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです。(1ヨハネ4:7、8)
7節は「真理の霊」によれば、「神に愛されている『愛する者たち』よ、主キリストの戒めに従い、弟子として『互いに愛し合いましょう』。なぜなら、『愛は神から出ているので』、『愛のある者は』聖霊により『新しく生まれ』、『互いに愛し合う』ことで『神を知って』いるからです」となります。
「肉によって生まれた者は肉です。御霊によって生まれた者は霊です。あなたがたは新しく生まれなければならない、とわたしが言ったことを不思議に思ってはなりません」(ヨハネ3:6、7)
「もし互いの間に愛があるなら、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、すべての人が認めるのです」(ヨハネ13:35)
8節は、「互いに愛し合う『愛のない者に』、キリストなる『神はわかりません』。『なぜなら』、無条件に『神は愛だからです』」となります。
神キリストが私たちに命じたのは、神は愛だから聖霊によって新しく生まれて、「互いに愛し合うことで神を知り、神の子として神の栄光と力を、世の光として証ししなさい」ということです。
「あなたがたが、非難されるところのない純真な者となり、また、曲がった邪悪な世代の中にあって傷のない神の子どもとなり、いのちのことばをしっかり握って、彼らの間で世の光として輝くためです」(ピリピ2:15、16)
クリスチャンの証しは、自己満足で終わらせて世に隠すものではありません。「神は愛です」というクリスチャンの証しは、「世の光」としてこの世を照らす明かりなのです。
3. 愛が示された
神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。(1ヨハネ4:9)
9節前半を真理により解くと、「天地創造の『神は』、御父の『ひとり子』キリストを『人の子イエス』として『世に遣わし』、イエス・キリストによる十字架の死により、全人類の罪を贖(あがな)い、イエスを救い主キリストと信じる『私たちに』、『いのちを得させてくださいました』」となります。
9節後半は、「御父が『ひとり子』キリストのいのちを犠牲にした愛と、御子キリストご自身が神の性質を捨てて身代わりの死にまで従った愛によって、『神の愛が私たちに』2千年前の歴史上で『示されたのです』」となります。
神とは、日本人が持っていた神々信仰とは隔絶した、天地を創造した唯一の神への信仰告白です。
この天地の主である神は、人間の犠牲的愛をはるかに超えた無条件の「神の愛」で、①私たちの罪の赦(ゆる)しと、②永遠のいのちと、③神の子とされる特権と、④天の御国相続という、キリストにある栄光の富を、キリストを信じる私たちに惜しみなく与えてくださいました。
この終わりの時代、このキリストの福音が、全世界へ聖書の御言葉により語られています。
まとめ
この世の価値観に所属する教師は、この世の言葉を語り、この世の人々はこの世の者の言うことを、熱心に聞きます。しかし、神の価値観に所属する教師は、神の御言葉を語り、聖霊により神を知っている人々は、神から出た者の言うことを、熱心に聞きます。
無条件の愛は神から出ているので、互いに愛し合う愛のある者は、聖霊によって新しく生まれ、神の愛が心に注がれていて、その愛により神を知っています。
イエス・キリストの十字架の死により、犠牲的な神の愛が世に示されました。イエスは世の光であると聖書は言います。だから、信じる私たちにも、互いに愛し合う犠牲の愛により、世の光として輝く使命があります。
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