認定こども園「若葉幼稚園」(北海道江別市)の職員らが5日、同園を運営する学校法人江別キリスト教学園の河野行秀理事長(75)から日常的にセクシャルハラスメントを受けていたとして、記者会見を開いた。職員らは河野氏を懲戒解雇にするよう求めており、園側に申し入れ書を提出した。朝日新聞や毎日新聞など複数紙が報じた。
両紙の報道によると、会見にはセクハラ被害を訴える女性職員4人が出席。園内の理事長室に個別に呼び出され、同意なく抱きつかれたなどとしている。こうしたセクハラ行為は2021年夏ごろから始まり、河野氏の親族が園内で働き始める23年1月ごろまで続いた。これまでに退職者を含め9人が被害を訴えているという。
また今年1月には、職員1人に抱きつくなどしたとして、札幌簡裁が河野氏に対し罰金10万円の略式命令を出しているという。その後、園側はセクハラ被害を訴える職員3人を含む5人に対し3月末での雇い止めを通告。そのため、職員らは労働組合を結成し、団体交渉を申し入れていた。
朝日新聞によると、河野氏は園内で退任する意向を表明している。また、園側は毎日新聞の取材に対し、「被害者に真摯(しんし)に向き合わなかったことを申し訳なく思っている。再発防止に向けて取り組んでいきたい」と話している。
若葉幼稚園は、日本基督教団江別教会に併設されており、キリスト教精神に基づいた教育・保育を掲げている。一方、河野氏は、自著によると別の教団である日本キリスト教会の引退教師(牧師)。