元ヤクザによる伝道団体「ミッション・バラバ」の設立メンバーである中島哲夫牧師が牧会するCJKチャーチが、東京・新宿の歌舞伎町近くに移転し、記念礼拝が20日に行われた。ミッション・バラバのフルメンバーと元ヤクザの兼光伸一伝道師(愛と赦〔ゆる〕し恵みキリスト教会)も出席し、同教会の新しい出発を祝った。
教会名の「CJK」には2つの意味がある。一つは、中国・日本・韓国(China・Japan・Korea)の頭文字を取ったもので、3カ国が神にあって一致することへの願いを込めている。もう一つは「王様はイエス様(Christ Jesus the King)」だ。哲夫牧師の息子で、昨年12月から、日本のリバイバルのために毎月欠かさず米ニューヨークから東京に来て集会を開いている中島克範牧師(ラブ・ジョイ・ピース・チャーチ)は、「日本全国で『イエス様が王である』と告白する人々が次々に起こされる働きが、この教会から始まることを信じます」と語った。
克範牧師は説教の中で、18年にわたる米国での牧会活動を振り返りながら、「教会が求めなければならないのはイエス様」と強調した。「CJKチャーチを通して、イエス様が現れることを願います。イエス様を求める教会になることを願います。イエス様が主人の教会になることを願います」と話した。
兼光伝道師は祝辞で、山口組直系暴力団(2次団体)のナンバー3の地位にあった当時の生活を「貪欲の世界に生きていた」と振り返りながら、「私がなぜ今ここにいるか。それはただイエス・キリストの十字架の贖(あがな)いによる」と語った。「イエス・キリストが、私の罪の身代わりとなって死んでくださった。それが分かるように、聖霊様が私を導いてくださった。そして私がイエス・キリストにとらえられ、救われた」と証しした。
堕落したコリントの都市を伝道するパウロに主が語った使徒の働き18章9、10節の御言葉を引用し、「どうぞCJKチャーチの皆さん、この御言葉を握ってください」と語った。「この町にはヤクザ、半グレ、娼婦、LGBTの人々がたくさんいます。みんなどこに行っていいのか分からず、光が見えず、闇の袋小路にいるのです。ですから、その人たちのために福音を語り続けてください。そしてどうか、一人でも多くの魂を救い出してください」と話した。
礼拝ではミッション・バラバ代表の金沢泰裕牧師(大阪弟子教会)も説教を取り次ぎ、「極道を無罪にされたイエス様」と題して、ルカの福音書23章32~43節を本文に語った。本文は、ゴルゴダの丘でイエスが十字架刑に処される場面。イエスの両脇には、同じく十字架にはりつけられた2人の「極道者」がいた。
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分で分からないのです」。十字架上でこう祈るイエスをただ眺めていた民衆、あざ笑っていた議員や兵士たちの姿について、「全的に堕落した人間の姿」と指摘。イエスと共に十字架にかけられた極道者の一人は、人生の最後の最後までキリストをののしり、悔い改めることもなく一生極道者のままで滅びていったと語った。
「しかし、もう一人の極道者を考えましょう」と金沢牧師。「カルバリ(ゴルゴダ)の丘に、何百人いたのかは分かりません。しかし、イエス様が十字架におかかりになったときに、この一人の極道者が、たった一人救われたのです」と強調。「その告白がイエス様だったのです。イエス様こそが、私の罪からの救い主ですという告白をしたわけです」と話した。
その上で、「キリスト教会こそが、人々がキリストを信じて無罪判決を受ける場所なのです」と語り、「この新宿の地で、その働きをしっかりしていこうではありませんか」と訴えた。
礼拝では他にも、米ニュージャージー州第一長老教会のデビッド・ペン牧師、新井キリスト教会の水間照弥(てるみ)牧師、吉祥寺エルサレム教会の田中勉牧師が祝辞を述べたほか、下田大気(ひろき)武蔵野市議会議員の姿もあった。ゴスペルフォークシンガーの神山みささんが特別賛美をささげた。
金沢牧師は現在、収容定員約2千人の神戸刑務所で教誨師をしており、今年のクリスマスには同刑務所内でミッション・バラバの集会を開くという。CJKチャーチは中島哲夫牧師と、同じく元ヤクザでミッション・バラバのメンバーである高田亮副牧師、遊佐学伝道師が牧会する。新住所は、東京都新宿区大久保2丁目6‐16平安ビル4階。問い合わせは、中島牧師(080・7950・4072)まで。