8日からキャンパス内の講堂で約2週間にわたって賛美と祈りの集会がノンストップで続き、リバイバルとして注目されているアズベリー大学(米ケンタッキー州ウィルモア)は21日、ケビン・ブラウン学長の声明をウェブサイト(英語)に掲載し、23日に同大がホスト役となって開催される「大学祈祷日」を最後に、集会を終了する発表した。
ブラウン学長は、この約2週間にわたる経験について、「あの水曜日(8日)午前以来、私たちが経験してきたことは、計り知れない善の流れでした。それは私たちのコミュニティーに押し寄せ、瞬く間に世界の他の地域へと広がっていきました」とコメント。一方で、「私たちのキャンパスの学生たちの間で始まったことを、(大学祈祷日の)祈りと礼拝に参加する全米の学生たちと共に終えることは、ふさわしいことだと思います」と語った。
大学祈祷日(Collegiate Day of Prayer=CDOP)は、米プロテスタント史で2番目に大きなリバイバルとされる「第2次大覚醒」(1790~1845年)の時に、全米各地の大学で祈りの運動が広がったことに端を発する。1823年には、毎年2月最終木曜日が大学のために特別に祈る日と定められ、今年はそれから200年の記念の年に当たる。
全米4196のキャンパスで祈りがささげられる予定で、毎年持ち回りになっているホスト役は今年、アズベリー大学が担当。現地時間23日午後8~10時(日本時間24日午前10~12時)に同大のキャンパスで行事が行われ、その模様がライブ配信(英語)される。
ブラウン学長は声明で、「リバイバルを止めるのか」という声に対しては、「自分たちが始めたものではないものを止めることはできない」と答えていると言い、同大で起こった一連の出来事は「決して計画されたものではない」と指摘。同大の関係者がこれまで、他の業務を脇に置き、24時間体制で多くの学生や訪問者を受け入れるために多大な努力をしてきたことにも触れた。
その上で、「この数週間、私たちが見たもの、経験したものを、リバイバル、刷新、覚醒、(聖霊の)傾注など、どう表現するかは別として、この運動は終わっていません」と強調。他の大学や教会でも同じような集会が行われていると言い、「むしろ私たちは、他の人々、場所、そしてミニストリーを通して、神の動きが続くことを奨励しているのです」と語った。
また、「神の新しい働きの第一歩は祈りです」と述べ、祈りを励ます資料として「大覚醒のための種蒔(ま)き」(英語)と題した文章を公開。文章は、詩編126編5節「涙と共に種を蒔く人は、喜びの歌と共に刈り入れる」を引用し、過去にあったさまざまなリバイバルについて触れつつ、リバイバルの素地となるものについて論じている。
ブラウン学長は19日には、地元テレビ局「WDRB」(英語)の取材に対し、学生の教育上のニーズと、規模が拡大している集会との間でバランスを取らなければならないとして、次のように語っている。
「私たちは、学生たちの生活が正常に戻らなければならないことを理解しています。彼らは講義に行かなければならないし、来週には中間試験があります」
「学生たちは、今回のことが(天からの)贈り物であることを知っています。彼らは贈り物を受け取ったのですから、今度は、彼らが今回の出来事を彼らの職場や家族、教会に届けようとするよう、彼らを変えていくつもりです」
同大2年生のカナン・ヤンさんはWDRBに、「多分、私たちはろうそくで、今、ちょうどその炎を他の教会や大学に渡しているように感じます」と語った。
21日に発表された予定によると、リバイバルの集会が続いている同大のヒューズ記念講堂は、21日と22日は、高校生や大学生ら16~25歳の若者のみに限定的に開放される。一般向けのライブ配信は両日も続けられ、必要に応じて隣接するアズベリー神学校のチャペルを一般に開放して、ライブ配信を放映する。
23日は予定通りヒューズ記念講堂で「大学祈祷日」の行事を行うが、入場は16~25歳のみに限定される。
24日以降は、同大のキャンパスでは一般に開放した集会は行われなくなる。一方、通常の定例礼拝は、学期中の月曜日、水曜日、金曜日の現地時間午前10時から行われ、その模様はライブ配信される予定。
なお、8日から続く現象について、同大はリバイバルではなく、「(聖霊の)傾注(outpouring)」と表記している。一方、アズベリー神学校のティモシー・テネット学長は14日、自身のブログ(英語)で次のように語っている。
「ソーシャルメディアや一般メディアは、これをリバイバルと呼んでいますが、私は今の段階では『覚醒(awakening)』と見るのが賢明だと思います。教会の土台を揺るがすような永続的な変革が起こって初めて、私たちは後から振り返って『これはリバイバルだ』と言うことができるのです」
同大のウェブサイトには、これまで行われた集会のライブ配信のアーカイブ(19日以降、英語)も掲載されている。