スペイン南部アルヘシラスで25日、なたを持った男が2つのカトリック教会を襲い、男性1人が死亡、司祭1人を含む4人が負傷した。捜査当局は、単独犯によるテロの可能性があると見て調べを進めている。
AP通信(英語)によると、襲撃は現地時間同日午後7時ごろに始まり、男は1つ目のカトリック教会でアントニオ・ロドリゲス司祭を襲って重傷を負わせた。
その後、徒歩5分くらいの距離にある2つ目のカトリック教会を襲撃。そこで、教会管理人のディエゴ・バレンシアさんを襲った。バレンシアさんは教会の外の広場まで逃げたが、そこで致命傷を負わされたという。ロドリゲス司祭は現在入院中だが、容体は安定しているという。
英公共放送BBC(英語)によると、男はモロッコ国籍の25歳で、既に逮捕されている。不法滞在により、6月に強制送還される予定だったが、スペインや他国でも犯罪やテロ関連の前科はなく、監視下に置かれていたわけではなかった。しかし、2019年には不法入国で強制送還された経験があったという。
共同通信によると、男はヤシン・カンサ容疑者。目撃者によると、犯行時に「アラー(イスラム教の神)」と叫んでいたという。
事件が起こったアルヘシラスは、欧州大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡に面した都市。アフリカ北部のモロッコから同海峡を渡ってくる移民の第一中継地になっているという。